「1人家電メーカー」とも評された家電ベンチャーのUPQ(アップ・キュー)は1月15日、家庭用の卓上燻製機「REIKUN-Dome」を発表した。付属のガラスドームにチーズや肉などの食材を入れ、上部にREIKUN-Domeをかぶせるだけでガラスドーム内に燻煙が充満し、手軽に燻製が楽しめる仕組み。製品の製造は、IoT家電ベンチャーとして多くの製品を手がけてきたCEREVO(セレボ)に委託する。

  • 家庭用の小型燻製機「REIKUN-Dome」を手にするUPQの中澤優子社長

販売はクラウドファンディングにより実施し、初回価格は税込み22,100円(先着50名限定)。3月31日いっぱいまでに1500万円の目標金額に達した場合はプロジェクト成立となり販売されるが、目標金額に達しなかった場合は商品化は見送られる。

REIKUN-Domeは、食材に香り付けをするためのスモークウッドを格納し、着火して発生した燻煙をファンにより下方向に流す仕組みの小型家電。燻煙をガラスドーム内に充満させる構造とし、室内が煙たくならないようにした。ガラスドーム内に煙が流れる様子を見ながら仕上がりを待てる楽しさも追求した。UPQの中澤優子社長は「大人のおやつをつくる玩具」と表現する。電源は単4形アルカリ乾電池×2本。

  • REIKUN-Domeは、ガラスドーム内に燻煙を充満させる仕組み。実際に煙を出しているので、ガラスドーム内が曇っている

  • ガラス容器の開口部のサイズが合えば、REIKUN-Domeはどのような容器でも使える

  • REIKUN-Domeを分解したところ。使い込んでもみすぼらしくならないよう設計したという

スモークウッドは、REIKUN-Domeに収まるキューブ型の小型タイプを開発し、「さくら」と「りんご」の2種類を用意する(30個入りで税込み5,400円)。市販のスモークウッドも利用できるが、種類によっては燃えかすが食材に付着する可能性もあるという。

  • コンパクトなサイズにした専用のスモークウッド

  • スモークウッドを入れて着火し、REIKUN-Domeの電源を入れるだけでよい

大手メーカーにはできない趣向として、製品開発から量産までのストーリーを公開するほか、購入者を対象とした工場見学やREIKUN-Domeを用いたレシピ開発会議などのイベントも実施する予定。

UPQは、小型電動バイク「UPQ BIKE me01」やスマホ連携LED電球「Q-home」などのIoT家電を発売して話題になった。だが、スマートフォン「UPQ Phone A01X」のバッテリー焼損事故や、4K液晶ディスプレイ「Q-display」のスペック誤記などの問題が相次ぎ、新製品の投入をしばらく見合わせていた。今回、家電ベンチャーとして実績のあるCEREVOの協力を仰ぎ、REIKUN-Domeで家電事業を再始動することとした。