家電ベンチャー・UPQ発の折りたたみ式モバイル電動バイク「UPQ BIKE me01」が2016年8月9日、予約受付を開始した(発送開始は9月10日から順次)。2016年4月21日に実物を交えて開催された試乗会は高い注目を集め、国内のみならず海外からもUPQ BIKE me01購入に関する質問が相次いだという。
以前、本誌ではUPQ設立に至るまでの経緯を中澤優子CEOに尋ねたが、今回、UPQ BIKEme 01発売に至るまでのよもやま話を改めて聞いてみた。
――1stシーズンが2015年8月に登場してから、ちょうど1年ですね。8月9日、ついに電動バイク「UPQ BIKE me01」が予約開始されましたが、今回は1stシーズン発表後から、UPQ BIKE me01発売までの流れを聞いていければと思います。
まず、1年前の1stシーズンの発表後は、予想以上の反響がありました。発表当日に発売したのはガラス製の透明タッチキーボード「Q-gadget KB01」だけで、他製品は以降順次発売という計画にしていたので、量産製品が続々届き始めた2015年8月末から9月は本当に忙しかったですね。
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――製造を発注している中国の工場に日帰りで行くほどの忙しさ、という話を聞いていますが(笑)。
ゼロ泊3日ですね(笑)。だいたい、夜11時くらいの羽田発の飛行機に乗って、朝4時、5時くらい香港に着きます。朝6時に出るバスを待って、ちょうど中国国境を渡れるのが8時くらいです。
その時間になると中国はワークタイムに入るので、8時~9時くらいから各地にある工場をそれぞれ2~3時間かけて回り、工場の関係者と、サンプルの確認や価格交渉などの必要な打ち合わせを全部終わらせ、夜10時くらいにまた国境を渡って、深夜1時の飛行機に乗って、翌朝日本に着く、という流れですね。
そのままUPQに出社するか、カフェ(※中澤氏が東京・秋葉原で経営しているカフェ)に向かいます。
――ハードなスケジュールですね。なかなか時間が取れない中で、現地の打ち合わせや交渉で迷ったり、サンプルの確認を日本に持ち帰って確認する、ということはありますか?
ないですね。複数の製品サンプルが出された場合でも、その場で方針を決めます。例えば5回目のトライでもまだ失敗が続いたとしても、「すぐこういう方針でやり直して」と改善案を交えて指示します。
とにかく、その場で良し悪しを決めます。ダメであれば、もう一度この方針に従ってトライしておいてと。私は帰るが、今日(再トライが)できるなら国境で会おう、明日できるなら速達で空便飛ばしておいてと言います。迷うことはないです。その場で明確に、ダメならダメ、OKならOKです。
何回やっても無理だよと、工場の人が人情に訴えかけてくる場合もあるんですが、「指示したやり方でやっている?」と聞くと、「やっていない」と返ってくる。頑張ってくれていることは理解したいので、相手の状況を把握した上で「これならできるかもしれないよ」と、解決策も一緒に考えます。