こうしたメトリクスの管理プラットフォームがあれば、IoT技術者はとりあえずセンサーを付けた機器を作り、データを集めてみるところからスタートできる。最初から目的にあったセンサーを付けてデータの型もきちんと定義するのではなく、とりあえずやってみた、というところから始まるようなやり方だ。一見乱暴そうだが、実際にはまず手を動かしてみてから考える、というのは開発手法としてはよくある話だし、思わぬ発想に繋がって新たなサービスが生まれることもあるので、決して悪いことではない。

ところが、メトリクス管理サービスは、IIJ自身がIIJ IoTサービスで同様のサービスを提供しているように、エンタープライズ向けに大量のセンサーからのデータを集めて管理するようなパッケージ(当然値段も高い)はあっても、個人や実験で使ってみようと思うような安価で手軽なサービスは案外ないというのが実情だ。そこで、個人の自由な思いつきを応援する意味も含めて、個人向けの新サービスを提供する運びになったという。

Machinist自体は数年前から開発が始まっており、実は前述したIIJ IoTサービスのバックエンドとして利用されているのだという。現在はオープンベータという位置付けだが、来春をめどに正規のサービスとして有料化が計画されているとのことだ。有料サービスのスタート後も無料サービスは残される予定で、有料サービスでは1年〜それ以上のデータ保持やメトリクス数の拡大などが計画されている模様。料金は月額数百円程度にしたいとのことだった。

エンタープライズ向けサービスのバックエンドとしての実績もあり、さらにユーザーが特に難しく考えなくてもきれいにデータを成形してくれる利便性の高さなどは、IoT開発者にとってはかなり魅力的に映るのではないだろうか。