年2回、東京・秋葉原で開催されるポータブルオーディオの祭典「ポタフェス」。その主役はイヤホン/ヘッドホン、デジタルオーディオプレイヤーですが、昨今人気を集めているのは左右のユニットをつなぐケーブルすらない「完全ワイヤレスイヤホン」。ポタフェス2018 WINTERのレポート第1弾は、完全ワイヤレスイヤホンの新製品情報をお届けします。
ELECOM「LBT-TWS02BK」
急速に拡大する完全ワイヤレスイヤホン市場ですが、価格競争の激化という側面もあります。「意外にいい音」というキャッチコピーでイヤホン製品を展開する「FAST MUSIC」ブランドで、エレコムは4,980円(税別)という価格で完全ワイヤレスイヤホン市場に切り込みました。エントリーモデル「LBT-TWS02BK」として、販路をWEBに絞り2019年1月中旬に発売します。
LBT-TWS02BKの特長は軽さと小ささ。小指の先ほどの大きさで片側4g。マッチ箱をひと回り大きくしたような充電ケースもわずか32g。連続再生時間は約2時間ですが、ケースに内蔵のバッテリーで2回ほどイヤホン本体を充電できるので、計6時間の音楽再生が可能です。
iPhone Xとペアリングのうえ試聴してみましたが、中高域にかけての解像感は良好、モタつきがなく快活な印象を受けました。対応コーデックはSBCのみですが、コストパフォーマンスはかなり高いといえます。PC関連製品でおなじみのエレコム製ということもあり、"初めての完全ワイヤレス"としてはいいチョイスになるのではないでしょうか。
ZERO AUDIO「True Wireless Zero」
比較的手ごろな価格帯のイヤホン製品で高い評価を獲得してきたゼロ・オーディオが、ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「True Wireless Zero」を展示していました。クアルコムの最新チップ「QCC3026」を採用し、安定した通信で途切れにくいうえに電力の消費が少なく、高音質コーデック「aptX」に対応していることがポイント。発売は2019年1月下旬で、推定市場価格は16,700円前後(税別)です。
試聴した印象ですが、キレがよく音の輪郭がはっきりしています。特にaptX接続時はその傾向が顕著で、完全ワイヤレスイヤホンとは思えないほどのレベルの音に到達していました。1年以上前の完全ワイヤレスイヤホンの音を想像してはいけません。価格は現在の売れ筋と比較してやや高めと予想されますが、IPX5の防水性能を備えスポーツにも使えるほか、連続再生時間は最大約7時間、充電ケースを合わせると最大28時間というタフさも魅力といえます。
RHA「TRUECONNECT」
イギリスのヘッドホン・イヤホン専門メーカー「RHA(Reid Heath Limited)」も、満を持して完全ワイヤレスイヤホン市場に進出です。「TRUECONNECT」と名付けられたこの製品は、直径6mmのダイナミックドライバーを搭載。マットな塗装が施されたハウジングは重厚な雰囲気です。IPX5の防水性能を備えていますから、タフに使えそうなところもポイントです。
iPhone Xとペアリングして試聴したところ、低域はやや強調された感があるものの、サウンドステージが広くレスポンスも迅速です。各帯域のバランスが計算されているのか、まとまりのよさが印象に残ります。イヤホン本体から下に突き出たステムは好みが分かれそうですが、通信の安定にはひと役買うことでしょう。急速充電対応のチャージングケースは洗練されたデザインで、所有欲を満たしてくれそうです。
Taotronics「DUO FREE」
中国・深センを本拠地とするTaoTronics(タオトロニクス)は、これまで欧米を中心にコスパのよいオーディオ機器などを展開してきましたが、最近では日本市場にも力を入れています。そのTaoTronicsが、発売前&未公開の完全ワイヤレスイヤホン「DUO FREE」を展示していると聞き、ブースを訪ねました。
このDUO FREE、充電ケースから取り出すだけでペアリングモードになるため、iPhone Xとのペアリングはスムーズでした。左側のイヤホンで断続的な音途切れが発生してしまい(指で本体側面に触れると再生が再開されるのですが……)、残念ながらじっくり試聴することはできなかったものの、連続再生時間は約3時間、充電ケースを含めると最大16.5時間となかなかタフな仕様。推定市場価格が8,000円(税別)なことも踏まえると、コンディションのいい状態で再び試聴に挑戦する価値はありそうです。