経営方針説明会では、直近となる第5期(2017年6月1日~2018年5月31日)の決算が好調であることが、改めて説明されました(官報には第5期決算広告を公表済み)。

VAIO 第5期の売上高は214億8,800万円で、対前年比で10.8%増加。営業利益は6億4,800万円で、こちらも対前年比で13.9%の伸びとなりました。当期純利益は、2016年の1億8,500万円から大きく増えた4億8,200万円と、160.5%の増加を記録しました。

  • 経営方針を説明するVAIOの吉田社長

  • VAIOの決算推移

増収増益の要因としては、モバイル製品を拡充したことや、PC法人向け販売が前年比で30%増と伸びたこと、CSサービスやソリューションなど付加価値を強化したこと、海外展開を12地域まで拡大したことなどが挙がりました。

  • 利益の拡大要因

  • モバイルPCのラインナップは拡大しつつあります。2019年に向けても、新製品を予定しているとのこと

2019年にはヨーロッパに進出

海外展開も拡大しています。2017年に中国市場、2018年に香港や台湾、シンガポール、マカオの販路を開拓したVAIOですが、現在、イタリアやフランス、ドイツなど、ヨーロッパ進出が決定しており、2019年早々にも展開する予定だといいます。

  • 2019年にはヨーロッパ進出も予定

吉田社長は、この1年間の総括を「240人体制になり、これから何ができて、何が足りないかを見極める1年だった」と振り返りました。そして、”復活”を達成したVAIOは、これから事業構造の強化と成長戦略を進める「フェーズII」に入ると語りました。具体的には、収益事業の法人比率をさらに高める方針です。

  • PCブランドから、次世代ITブランドへ進むと強調。法人向け事業を強化していきます

  • 「次世代ITブランド」に向けた事業構造

従来から打ち出している「PC事業」「EMS事業」「ソリューション事業」の3本柱を細分化し、PC事業では周辺機器やセキュリティ関連など、ハードウェアに加えソフトウェアも組み合わせた事業を展開。EMS事業は、中心となるロボティクス関連を個別事業として確立させ、ドローンなどロボティクス以外のEMS事業を拡充していきます。また、ソリューション事業は、現在展開中のVR関連のほか、IoT分野にも範囲を広げていくとしました。

  • 成長戦略の要素は「製品拡充」「営業強化」「付加価値」

企業との提携も進める

また、吉田社長は「自社だけにこだわっていると成長しない。リソースとして足りないものは、積極的にアライアンス(提携)を組んでいく必要がある」と強調。11月1日に発表された、BenQと協業する電子黒板事業に加え、この13日付けで、指の内部にある静脈パターンから個人を特定する指静脈認証技術を持つモフィリアとの協業を発表。また、ジャスミーとIoTとブロックチェーン技術を使った新事業の検討などが発表されました。吉田社長は「貪欲な姿勢でVAIOを伸ばしていきたい」と力強くコメントしました。