TrendForceのDRAMeXchange部門の調べによると、PC向けDRAMの大口契約価格が、従前の予想通り、第4四半期が始まった10月から下落を始めたものの、その下げ幅は想定よりも大きなものとなっている模様だ。

4GBのPC DRAMモジュールの平均価格は、2018年第3四半期では34.5ドルだったが、第4四半期には前四半期比10.14%減となる31ドルへと引き下げられた。8GBのPC DRAMモジュール価格も、第3四半期では68ドルだったが、現在は、同10.29%減となる61ドルへと下がっている。

Intelの社内事情によりCPUの出荷が少なくなっているため、PC市場の需要が満たせなくなっており、PCメーカー各社は2018年後半、出荷数を伸ばすことができない状況となっている。その結果、DRAMも市場でだぶつき感が出ている一方、DRAMサプライヤは在庫をなんとかさばこうとするため、4GBモジュールよりも8GBモジュールの方が値下げ率が若干だが大きくなっている。

DRAMeXchangeのシニア調査ディレクターであるAvril Wu氏は「スポット価格は、大口契約市場における価格動向の先行指標とみられているが、DRAMのスポット価格は2018年の早い時期から低下しており、9月以降も低下傾向が続いている。最新情報では、DDR4の1Gビット×8チップ構成の平均スポット価格は6.946ドルにまで下がり、平均的な契約価格の7.31ドルとの差は5%となっている。DRAMの供給過剰とスポット価格の下落がこうした契約価格の下落を招いている」と説明している。

一方でDRANサプライヤは積極的に高メモリ容量製品の出荷を拡大しているため、8GBモジュールの市場浸透率は急速に高まっている。そのためDRAMeXchangeでも、8GBモジュールの出荷数量は当初の見込みよりもはやく4GBモジュールを上回り、市場の主流になると見ており、2019年以降のPC DRAM市場における契約価格動向を決定するための基盤として、従来の4GBに替わり8GBモジュールの価格を採用することにしたという。

なお、季節的な閑散期である2019年第1四半期を迎えるころには、PC市場だけでなく、サーバおよびスマートフォン市場における最終製品の出荷も減る見込みである。さらに、第1四半期は、メーカーや流通チャネルが超過在庫を調整する期間でもあるから、DRAM価格の低下はさらに進む可能性が高いという。そのため、DRAMeXchangeでも、DRAM市場全体の平均販売価格は2019年は通年で前年と比べて約20%ほど低下すると予測している。

  • DDR4 4GBモジュールの平均解約価格の推移

    DDR4 4GBモジュールの平均解約価格の推移 (出所:TrendFoerce/DRAMeXchange)