Microsoftが今秋リリース予定のWindows 10 バージョン1809(Windows 10 October 2018 Update)で削除・非推奨とする機能を発表した。記事公開日は2018年8月31日(現地日時)のため、以前の記事で確認した際は筆者が見落としたようである。
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Microsoftの発表
廃止・非推奨機能の事前公表はすでに4回目となる。機能によって例外はあるものの、基本的には前バージョンで非推奨となった機能に対するフィードバックを踏まえて、段階的な判断を下しているようだ。
その1例が「DSM(分散スキャン管理)」だ。バージョン1803で非推奨となった本機能は、DSM対応スキャナーを企業内で効率的なスキャニングを行う管理基盤だが、特に問題が生じなかったのか、今回の廃止に至っている。
Windows 10は以前からアプリのフォントを美しく描画するfontsmoothing機能を備えており、動作設定をunattend.xmlファイルで制御可能だった。既定はパフォーマンステストに基づいて自動的に有効化していたが、OSの既定がClearTypeの使用に切り替わっているため、unattend.xmlの記述が無効になっている。
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本仕様変更とは直接関係ないが、バージョン1803から加わった「アプリの表示スケールの修正」で全体的な描画能力を高めている。なお、デスクトップアプリに関しては高DPI向け互換性設定を変更した方が早い
本来3D空間でのみ使用できる「ホログラム」は、Mixed Realityビューアーに置き換わる。Microsoftは3Dモデル作成はペイント3D、デスクトップや3D空間におけるビューアーをMixed Realityビューアーとして使う手法を選択した。
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3D空間に3Dモデルを配置する「ホログラム」。利用にはMicrosoft HoloLensやWindows MRヘッドセットが必要だった
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「Mixed Realityビューアー」はデスクトップPC上でも利用可能。＜Mixed Reality＞タブに切り替えればヘッドセット内に3Dモデルが描かれる
「モバイルコンパニオン(旧電話コンパニオン)」も廃止対象だ。Windows 10は「設定」の「電話」でモバイルデバイスを管理する機能を備えており、スマートフォンとの同期は新たに含まれる予定の「同期電話」が担うという。もっとも対象となるのはAndroidに限られており、iPhone用の「スマホ同期管理アプリ(旧Microsoft Launcher)」は用意されていない。
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本稿執筆時点で「モバイルコンパニオン」を起動すると、警告メッセージが現れる
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「設定」の「電話」ではスマートフォンとのリンク管理を行う
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Windows 10 バージョン1809から搭載予定の「同期電話」。Android上の写真やSMSメッセージをPC上で操作する
このほかはエンタープライズ向け機能のため、簡単にまとめるが、Microsoft AzureにアクセスするLimpet.exeはオープンソース化のため廃止。TPM管理コンソールはWindows Defenderセキュリティセンターのデバイスセキュリティに移行。Windows Embedded Standard 8およびWindows Embedded 8 Standardの環境を自動チェックし、Windows Embedded Developerアップデートも廃止。今後はMicrosoft Updateカタログを使用する。
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TPM管理機能は「Windowsセキュリティ」の「デバイスセキュリティ」へ移管された
バージョン1809に加わった非推奨機能
Windows 10はウェアラブルデバイスなどでPCのロックを解除する「Companion Device Framework」を実装しているが、リンクしたスマートフォンを持って離席すると、PCをロックする「動的ロック」も実装済み。さらにMicrosoftはサードパーティがCDFを採用していないことから、CDF Dynamic Lock APIの利用を非推奨に分類した。
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Bluetooth経由でリンクしたスマートフォンが検出できなくなると、PCをロックする「動的ロック」
メールやカレンダー、Peopleのデータを同期する「OneSyncサービス」も非推奨。Microsoftは「Outlookアプリが同期エンジンを備えた」と理由を説明しているが、察するにUWPアプリの「メール」と思われる。「Snipping Tool」も［Win］+［Shift］+［S］キーで起動する「Snip&Sketch」を実装することから非推奨となった。
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選択領域をクリップボードに格納する「Snip&Sketch」
阿久津良和(Cactus)
