2018年秋にはWindows 10の機能更新プログラムであるWindows 10 October 2018 Updateが登場する。本稿執筆時点でPlan for Windows 10 deploymentを見ても、バージョン1809で廃止および非推奨機能は確認できないが、少なくとも「ディスククリーンアップ(cleanmgr.exe)」はなくなるようである。

  • Windows 10の「ディスククリーンアップ」。Windows 10 バージョン1809から非推奨機能となりそうだ

Microsoftが米国時間2018年8月30日に公開した[公式ブログ](https://blogs.technet.microsoft.com/filecab/2018/08/30/9205/)によれば、同社は「互換性の理由から、ディスククリーンアップは保持するものの廃止予定。『ストレージセンサー』はディスククリーンアップのスーパーセットとなる」と述べ、ディスククリーンアップからストレージセンサーへの移行をうながした。

ただ、削除対象となるファイルは基本的に違いはない。筆者がWindows 10 バージョン1803とWindows 10 Insider Preview ビルド18219で確認した限りでは、「DirectXシェーダーキャッシュ」「Windows Defenderウイルス対策」「Windowsアップグレードログファイル」「インターネット一時ファイル」「ごみ箱」「システムによって作成されたWindowsエラー報告ファイル」「ダウンロード」「一時Windowsインストールファイル」「一時ファイル」「縮小表示」「配信の最適化ファイル」が手動削除の対象となる。

ストレージセンサーはストレージの空き容量が不足した際に、一定のタイミングで不用なファイルを削除する。しかし、ごみ箱やダウンロードフォルダーは直感的に分かるものの、<アプリで使用されていない一時ファイルを削除します>の説明だけでは分かりにくい。

「アプリで使用されていない一時ファイル」について、先の公式ブログによれば、「一時的なセットアップファイル」「インターネットキャッシュファイル」「システムエラーミニダンプファイル」「システムエラーメモリダンプファイル」「システムがダウンロードしたプログラムファイル」「システムキャッシュファイル」「デバイスドライバーパッケージ」「一時的なシステムファイル」「古い索引付きコンテンツ」「日付けをファイル名に持つWindowsの一時ファイル」「日付けをファイル名に持つシステムログファイル」だという。

インターネットキャッシュファイルのように、手動クリーニングと自動クリーニングで重複する項目もあるが、削除するファイルを明示したのは一歩前進だ。また、Windows 10 バージョン1809(具体的にはビルド17720以降)では、OneDriveおよびOneDrive for Businessオンデマンドのファイルもクリーニング対象となる。

  • ビルド17720以降のWindows 10 Insider Previewでは、ストレージセンサーの自動削除対象に、OneDriveオンデマンドが加わる

筆者は取材先でSurfaceにメモを書き、場合によってはそのまま原稿執筆まで済ませることもあるため、OneDrive for Business上においた録音や写真データ、メモ書きがそのまま残る。

取材終了後は関連ファイルをまとめたフォルダーをオンデマンド対象外のフォルダーに移動させているが、コンテキストメニューの<空き容量を増やす>を選択するのは煩雑だった。

だが、Windows 10 バージョン1809以降はごみ箱などと同じく、1日/14日/30日/60日のタイミングで削除されるため、以前ほどストレージの空き容量を気にしなくて済むのは実にありがたい。

そもそもディスククリーンアップは、Windows 95で不便だったファイル削除を自動化するため、Windows 98から実装した機能である。だが、ストレージセンサーのように指定したタイミングと範囲で削除を実行する機能を備えることで、我々はPCのメンテナンスから解放されつつある。

後はコントールパネルベース(内部的にはタスク)で動作する「自動メンテナンス」のUWP化が進めば、よりWindows 10は快適な作業環境となるだろう。

  • 次はUWPベースの移行を期待したい「自動メンテナンス」

阿久津良和(Cactus)