iPhoneで撮影した写真に限定した世界的なフォトコンテスト「iPhone Photography Awards 2018」(IPPAWARDS)の選考結果が発表され、日本人フォトグラファーのAnna AikoさんがTravel部門で見事に1位を獲得しました。ふだんデジカメはまったく使っておらず、「撮影はiPhoneでなければダメ!」と断言するAnnaさんに、iPhoneでの撮影にこだわる理由や、美しい写真を撮るコツを聞きました。
シルクロードを巡る旅で出会ったワンシーンが受賞
――今回は受賞おめでとうございました。このIPPAWARDS、毎回応募しているのですか?
Annaさん:ありがとうございます。実は、応募は今回が初めてで、自分でもとても驚きました。心から感謝しています!
――受賞した作品について教えてください。
Annaさん:3~4年ほど前からシルクロードの文化に興味を持ち始めた私は、シルクロードにまつわる国々を訪ねてきました。今回撮影した写真は、モンゴルのゴビ砂漠で撮影したものです。かつてマルコ・ポーロも踏破したゴビ砂漠は、恐竜の化石が多く見つかることでも知られています。
時おり雨に降られながら10時間以上も車に揺られた末、夜の7時ぐらいにやっとゴビ砂漠にたどり着きました。到着した場所は、緑が一面に広がる何もない場所。日が沈みゆくなか周囲を歩いていると、突然恐竜の姿が目に入ったんです!
疲れを忘れて駆け寄ってみると、恐竜の背後に見えた重たいグレーの雨雲と、その脇からわずかに差し込む夕焼けの光の対比がとても美しくて、見つけた瞬間は涙が出るほど感動しました。まるで時代が恐竜時代に戻ったような感覚で、本当に夢のようでした。あふれる感動を抑えながら撮影したのが、今回応募した写真です。
――今回の作品の撮影や加工に使ったアプリは何なのでしょうか?
Annaさん:あの写真は、iPhone標準のカメラアプリを使って撮りました。実は、撮ったままで一切加工はしていないんですよ。ふだんはインスタグラムなどでレタッチを楽しんでいますが、今回の写真はとても印象的に仕上がったし、見たままの感動を表現したかったので、あえてレタッチしませんでした。なので、何も加工をしていないiPhoneの写真が選ばれたことを聞いたときは、思わずワオ!とうれしくなりました。