米Appleは7月9日 (現地時間)、iOS 11のアップデート「iOS 11.4.1」の提供を開始した。ロック時にUSBアクセサリやMac/PCからiOSデバイスへのアクセスを制限するセキュリティ機能が追加された。数カ月前から話題になっている「GrayKey」のようなパスコード解析ツールへの対策機能と見られている。

新しいセキュリティ機能は、「設定」→「Face IDとパスコード」の「ロック中にアクセスを許可」にある「USBアクセサリ」で設定する。デフォルトのオフ状態だと、iPhoneがロックされてから1時間以上が経過すると、USBアクセサリやMac/PCをiOSデバイス (iPhone、iPad、iPod touch)に接続しても認識されない。それらを利用するには、iOSデバイスをアンロックする必要がある。

USBアクセサリやMac/PCをよく接続させるユーザーは、「USBアクセサリ」設定を把握しておかないと、これまで利用できていたものが機能しなくなる可能性があるので注意が必要だ。サポート情報によると、USBパワーアダプターは従来通りに使用できる。USB補助デバイスの場合は、多くのデバイスは最初に接続した際に、常にUSBデバイスが接続されるよう自動的に設定が変更される。

2016年春に、銃乱射事件の容疑者が使用していたiPhoneのデータ取り出しについて、ロック解除の協力を要請する米連邦捜査局(FBI)とAppleが対立した。最終的にFBIが何らかの方法を用いてデータ取り出しに成功。Appleはユーザー保護の姿勢を貫いたが、iPhoneのデータを読み取られる可能性が示される結果になった。そして今年3月に「GrayKey」というiOSデバイスにUSB接続して簡単にロック解除できるクラッキング・ツールを捜査当局が導入したという報道があった。実際にGrayKeyを入手してパスコードの解析に成功したという報告もあり、パスコードクラッキング・ツールが広がることが危ぶまれていた。新しいセキュリティ機能は、そうしたクラッキングを困難にするものになる。

iOS 11.4.1は他に、「iPhoneを探す」でAirPodsの最後の位置情報を見ることができない問題を修正、Exchangeアカウントでのメール/連絡先/メモの同期を改善する。