説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Lightningって充電とバックアップ以外に使い途ある?』という質問に答えます。

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iPhone 5以降のiPhoneには、片側がLightning端子でもう片側がUSBタイプA端子の「Lightning(ライトニング)ケーブル」が付属しています。Lightning端子はリバーシブル構造で、差し込むときに裏表を気にする必要がないという大きなメリットがあります。

Lightning端子のピン数は8、それが表裏両面にあり外周も利用されるので計17の接点があります。その仕様の詳細は明らかにされていませんが、Appleの外部による解析が進められた結果、デジタル信号を扱う2本の線があり、USB 2.0相当のデータ通信が可能ということが判明しています。iPad Airの急速充電に対応することから考えると、5V/2.4Aに耐えられる電源線を備えていることも確実です。

充電とバックアップ以外に使い途があるかとのご質問ですが、答えは「はい」となります。USB 2.0相当のデータ通信が可能ということは、ソフトウェアによる制御次第でいろいろなデータを扱えることを意味するからです。

周辺機器の管理はそのひとつに挙げられます。Lightning接続のイヤホンには、ノイズキャンセリングに対応するなど多機能なサードパーティー製品がいくつも存在しますが、そのファームウェアの更新をLightning経由で実施する機構は珍しくありません。アプリに最新版ファームウェアを格納しておき、そのアプリが動作しているときにLightning端子で接続すると、ファームウェアを更新できるしくみです。

SDカードリーダも同様に、USB 2.0相当のデータ通信を利用して接続されます。USB経由で再生データを入力するオーディオ機器(USB Audio Class対応製品)の接続も、やはりこのデータ通信を利用します。iOSの場合、サードパーティーが周辺機器を動作させるためのプログラム(デバイスドライバ)をシステムに追加することは許されませんから、パソコンほどの拡張性はないものの、充電とバックアップ以外にもいろいろ使えることは確かです。

  • Lightningには充電とバックアップ以外にもいろいろな使い途があります