同社の国内ユーザーとしては、ヤフーが知られている。ヤフーはDRとして、ファーウェイの「OceanStor 5500 V3」を東西の拠点に4台づつ導入し、IPによるデータ同期用リンクを構成できるHyperMetro機能でストレージ間の専用ネットワークを構築し、リアルタイムの同期を実現している。

  • HyperMetro機能を使ったヤフーのDRシステム

こういった実績を考えると、やはり、日本市場においては、大規模ユーザーを対象に販売していくのだろうか?

これについて、ウィリアム・ドン氏は、「業界としては、グローバルで政府、金融、交通、エネルギー、製造の5をターゲットとして絞っている。もちろん、中小企業も顧客になりうる。日本の市場の開拓はまだ発展途上であり、そのため、現在はハイエンドユーザーをターゲットにしているが、将来はより多くの中小企業のお客様にも喜んでいただけるようにしていきたいと思っている。ファーウェイの製品は、ハイエンドのものより、ミドル、ローエンドの製品を多くラインナップしており、多くの顧客を視野に入れている。日本では、まずハイエンドのユーザーに製品を使ってもらい、ユーザーから優れて製品であるという評価をもらえれば、ブランドイメージを上げることができる。そうなれば、中小企業にも使ってもらえるようになると期待している」(ウィリアム・ドン氏)

また、品質に厳しい日本に対する取り組みについては、「品質はわれわれのライフラインだ。製品においては、開発段階で厳しい基準にもとづいて行っている。品質はファーウェイのカルチャーにもなっており、至上命題になっている。そのため、日本の企業とコラボレーションしながら製品の品質を高めている。また、今後はAI技術を活用し、故障を事前に予知するしくみも導入したいと思っている」(ウィリアム・ドン氏)

そして、日本市場の戦略については、「日本のマーケットは大きく、非常に重要な市場だ。今後も、ファーウェイの差別化した製品を引き続き提供していく。また、日本のパートナーと組んでJVL(Joint Verification Lab:共同検証ラボ)を利用して新たな製品を開発し、提供していくことも考えている。ファーウェイはローカライゼーションとグローバリゼーションを両方を行っており、優秀な日本の皆さんに入社していただき、一緒に開発していきたい」と語った。