説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「メモ」のスクリーンショットって、妙にサイズが大きくない?』という質問に答えます。

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確かに、『メモ』のスクリーンショットはファイルサイズが大きめですね。スクリーンショットをパソコンに転送してファイルサイズを調べると、2メガバイト(iPhone Xの場合)を超えています。風景写真のように色数が多い画像ならばともかく、画面の大半が真っ白な状態なのにこれだけファイルサイズが大きいのは不思議に思えます。

その理由は単純、実のところ『メモ』の色数は多めなのです。スクリーンショットをパソコンに転送して拡大表示すればわかることでしょう。『メモ』の下地は均一な色ではなく、本物の紙のように凹凸があり、そこにインクが乗るような形で文字(フォント)が描画されているのです。

iPhoneのディスプレイは画像を構成する点(画素)の密度が高く、見る者に緻密な印象を与えてくれます。ディスプレイの緻密さは、1インチ(25.4mm)の長さにどれだけの画素があるかを意味する「ppi」(pixel per inch)で表現されますが、iPhone 4以降は「Retina(網膜)」と呼ばれるディスプレイが採用されており、いずれも人間の視覚が認知可能な上限とされる300ppiを超えています。『メモ』の下地に細かな凹凸が描かれているなど、拡大表示しないかぎり気付かなくても不思議はありません。

均一な色でないということは、画像ファイルとしては圧縮が効きにくいことにつながります。iOSのスクリーンショットは「PNG」という画像フォーマットで保存されますが、このPNGはビットマップ/画素ごとの色情報を完全に維持するため、色数が多くなると圧縮効率が低下し、結果としてファイルサイズが大きくなります。

なんとしてでも『メモ』のスクリーンショットのファイルサイズを小さくしたい場合は、色数を減らすアプリを利用してみましょう。見た目の質感は変わりますが、ファイルサイズは格段に小さくなるはずです。

  • 『メモ』のスクリーンショットを拡大してみると……