NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は6月11日、100GbE対応の高速ソフトウェアPCルータの開発に成功したと発表した。同ルータは「Kamuee」(カムイー)の名称でInterop Tokyo 2018に出展される。

大容量通信を行うコアルータは、経路検索を高速に処理するCPUを搭載した専用機器であり、その導入には、数千万円規模の費用を必要とするが、「Kamuee」は一般的なCPUを利用し、大容量通信のための専用機器と同等以上の性能を実現できる。

「Kamuee」は、東京大学と共同開発したルータの経路検索アルゴリズム「Poptrie」(ポップトライ)を用いて、多数の経路情報が登録された状態でのパケット転送機能において、ソフトウェアPCルータとして世界トップレベルの処理速度を実現するとしている。64バイトイーサネットフレームで257Mpps(2億5700万パケット毎秒)を達成したという。

「Poptrie」は、経路情報の検索に必要となる処理を軽減し、次に、経路検索処理に必要とされるメモリーを大幅に圧縮する。これにより、全経路情報をCPUキャッシュに載せることができ、経路検索時にCPUがメモリーを参照する回数が削減されるため、従来の方式と比べ経路検索の高速化を実現する。

高速なパケット転送は、インテルが開発したソフトウェア「DPDK(Data Plane Development Kit)を採用し、NTT Comの独自のモデルを用いることで可能にしている。

「Kamuee」は、NTT Comは2018年6月13日～15日に幕張メッセで開催されるInterop Tokyo 2018のShowNetに展示される予定。

  • ShowNetで展示される「Kamuee」