KDDI 理事 技術統括本部 プラットフォーム開発本部長 中島昭浩氏

基調講演には、ユーザー企業として5社が登場した。KDDI 理事 技術統括本部 プラットフォーム開発本部長である中島昭浩氏は「auパスなど50以上のサービスの一部機能について、AWSをハイブリッドクラウドとして採用している」と、同社におけるAWSの利用状況を紹介した。

iPhoneの予約サイトにおいてピークトラフィックに対応させるためにAWSを採用、処理性能は4.8倍に増大し、工期は10日で済んだという。また、auアプリ用プッシュ通知基盤にはサーバレスマネージドサービスという形でAWSを採用することで、限界を引き上げつつ構築コストを削減。限界性能を4倍向上するとともに、構築費用を4分の1削減できたそうだ。

ソニー銀行 執行役員 福嶋達也氏

ソニー銀行 執行役員である福嶋達也氏は、今年2月に利用が可能になった大阪ローカルリージョンの活用事例を紹介した。

ソニー銀行は2013年12月から社内システムおよび銀行周辺系でAWS東京リージョンの利用を開始、順次ライフサイクルに基づいて更改を迎えたシステムのAWS移行を行い、2018年冬には社内システムおよび銀行周辺系の移行が完了する予定だという。

金融系としてメインとなる勘定系システムへの採用には必須だった国内第2リージョンが誕生したことで、2017年冬には財務会計システムでの利用までAWSの採用が拡大することを決定、2019年秋以降には本番稼働予定だと今後の見込みを紹介した。

  • ソニー銀行のAWSの導入状況

  • 新財務会計システムの概要

SOMPOホールディングス グループCDO 常務執行役員 楢崎浩一氏

SOMPOホールディングス グループCDO 常務執行役員である楢崎浩一氏は「保険業界はデジタルによって完膚なきまでに業界が破壊されつつある」として、保険業界を取り巻くデジタルディストラクションについて語った。

業界を取り巻く変化へ対応するため、既存ビジネスのデジタルシフトの支援と新規事業の創出を行うラボを設立、多彩なデジタルR&Dを実行していると紹介した。こうした取り組みにはAWSが必須であるとし、AWSのスピード、コストパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティといった面を評価していることが語られた。

ABEJA 代表取締役社長 CEO 兼 CTOである岡田陽介氏は、機械学習分野でのサービス提供について講演。同社は商用ディープラーニングプラットフォームを提供する自社サービスの基盤としてAWSを採用している。岡田氏は、「ディープラーニングは今後、認識、運動の習熟、言語の意味理解などさまざまな分野で適用されることが予想されている」として、イノーベーションの余地が大きな領域について解説した。

デンソー MaaS開発部 部長 兼デジタルイノベーション室 室長である成迫剛志氏は「自動車部品メーカーであるデンソーは、今や自動車部品メーカーではない。モビリティ業界のデンソーと言わせていただきたい。そのデンソーの描く未来の姿を紹介したい」として、IoTと車の組み合わせで人とモノの移動が変わる「DENSO MaaS」について語った。

  • ABEJA 代表取締役社長 CEO 兼 CTO 岡田陽介氏

  • デンソー MaaS開発部 部長 兼デジタルイノベーション室 室長 成迫剛志氏