人間は一般的に、加齢とともに聴力が衰えていきます。以前は騒音の中でも隣にいる相手の声が聞こえていたのに、最近は年をとったせいか周りがうるさいと相手の声が聞き取りにくい……。そんな人にオススメなのが、完全ワイヤレスイヤホン「IQbuds」「IQbuds BOOST」です。最大の特徴は、補聴器のような機能がついていること。

バリュートレードは5月30日、オーストラリアのオーディオブランド・Nuheara(ニューヒエラ)の完全ワイヤレスイヤホン「IQbuds」「IQbuds BOOST」の取り扱いを発表しました。補聴器のように周囲の音をただ大きくして耳に伝えるのではなく、人の声だけを大きくし、雑音は小さくするといった機能がついた完全ワイヤレスイヤホンです。

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    きょう体はやや大き目だが、パッケージにイヤーチップが4サイズ付いているため、自分の耳の大きさに合うものがあるはず

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    IQbuds

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    IQbuds BOOST。色以外にIQbudsとの違いはなく、サイズも同じ

IQbudsとIQbuds BOOSTには、周囲の環境に合わせて雑音を最適な「聴こえ方」へとチューニングする「SINC(スーパーインテリジェントノイズコントロール)」技術が採用されています。専用のスマホアプリから、外音の取り込みや取り込んだ音・声の調整が可能です。

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    SINC技術により、周囲の雑音と相手の声の大きさを調整できる

たとえば友人とレストランやカフェに行ったとき、IQbudsやIQbuds BOOSTをつけていれば、周囲の騒音は小さくし、相手の声は大きくしてくれます。アプリから環境音のボリュームや低音・高音などの強弱を細かくコントロールできるのですが、そういった作業が苦手という人でも大丈夫。使用環境を想定し、7つの設定がプリセットされています。

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    周囲の音をしっかり聞きたいときは、「外界強め」に設定する

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    イコライザーで、雑音の低音を強調したり、高音を強めたりといったチューニングが行える

ジムなどでエクササイズしながらでも周囲の音を意識できる「Workout」、騒がしい街の騒音を抑える「Street」、自宅で音楽を聴きながら家族と会話できる「Home」、オフィスで音楽を聴いていても同僚の声が聞きとれる「Office」、レストランやバーなどで周囲の雑音を抑え、同席者の声だけを大きくする「Restaurant」、電車やバスの騒音を抑える「Driving」、飛行機内のエンジン音や残響音を小さくする「Plane」の7モードを用意しました。

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    7つのモードを備えた

発表会で実際にIQbudsを耳にセットし、「Street」モードを選択すると、周囲の雑音がさあっと、波のように遠のいていく感じがします。つぎに「Restaurant」モードを試してみるとあら不思議。雑音は海の遠く沖合にいったまま、人間の声は鮮明に聞こえます。イヤホンで耳をふさいでいるのに、イヤホンをしていないときよりも声が大きく聞こえるのです。

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    補聴器ではなくあくまで「イヤホン」なのだ

IQbuds BOOSTではさらに、聞こえ方をパーソナライズできる「Ear ID」機能を搭載しました。まずアプリで聴力の測定を行い、ユーザーがどの周波数帯まで聴こえるのかをテストし、測定した聴力データに合わせて周囲の雑音や再生する音楽の聞こえ方を自動で調整します。

IQbudsとIQbuds BOOSTは、完全ワイヤレスイヤホンとしても優秀。BAドライバを内蔵しており、低音から高音まで輪郭のはっきりした音を再生できていました。コーデックとして、IQbudsはSBC、IQbuds BOOSTではSBCのほかに、音声遅延が少ないとされるaptX、aptX LLをサポートします。

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    手に持った感じ

IQbudsの発売日は6月末で、販売価格は39,880円(税別)。IQbuds BOOSTの発売日は8月末で、販売価格は58,880円(税別)です。

IQbudsは100mAhのバッテリーを備え、最大4時間の連続再生が可能。聴覚補助機能だけなら8時間使えます。充電は1,140mAhのバッテリーを内蔵する付属のケースで行い、IQbudsを3回充電できます。

IQbuds BOOSTは120mAhのバッテリーを内蔵し、最大8時間の連続再生が可能。聴覚補助機能だけなら12時間使えます。付属するケースのスペックはIQbudsと同じです。

IQbudsとIQbuds BOOSTの本体サイズは21×26×15mm、重量は約8g(片耳)。ケースのサイズは97×47×34mm、重量は約72g。Bluetoothのバージョンは4.2となっています。アプリの対応OSはiOS 9以降、Android 5以降。

Nuhearaはもともと、補聴器や企業向けのヘッドセットを作っていた会社。IQbudsやIQbuds BOOSTは、純粋に音楽を楽しむイヤホンとは一線を画しています。Nuhearaと代理店契約をしたバリュートレードは、「日本人は、音の聞こえ方に何かしら問題がある人が約2,000万いるといわれているのに、補聴器を嫌う人が多い。そしてもし補聴器を買うとなれば、10万円は当たり前。20万円、30万円払っていいものを買う人もたくさんいる。それと比べたら安いIQbudsやIQbuds BOOSTが、補聴器に頼る前段階で使う製品として認知されていくのが理想」と語りました。

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    Nuhearaの代表取締役であるJUSTIN MILLER氏も来日した

販路は量販店やECサイトが中心ですが、欧州では「補聴器」という医療機器に近い製品として、ドラッグストアや眼鏡ショップなどでも販売しているそう。バリュートレードは、日本でもIQbudsやIQbuds BOOSTを販売できるドラッグストアや眼鏡ショップを探していくと意気込んでいました。