キャリアのカスタマイズ対応が鍵になるか

キャリア版の登場で気になるのは、SIMフリー版との違いだ。Mate 10 Proでは残念ながら「おサイフケータイ」などの国内向け機能は実現しなかったが、nova lite 2にはスマホ初心者向けの「シンプルモード」が加わった。

  • ソフトバンク版「HUAWEI nova lite 2」(写真提供:ソフトバンク)

  • HUAWEI nova lite 2(写真はSIMフリー版)

こうした大手キャリアからのカスタマイズ要求にどの程度応じるかは、端末メーカーによっても差があるという。その中でもファーウェイは、ルーター製品などでキャリアとの付き合いは長い。最近ではキャリアスマホに新規参入を狙う中国メーカーも出てきているが、ファーウェイには一日の長があるといえそうだ。

ただ、Mate 10 Proは2017年10月のグローバル発表からソフトバンク版が発売される2018年5月まで、半年もの時間がかかっている。今後はこのタイムラグをどれくらい縮められるかが課題といえる。

また、中国企業であるファーウェイは、米国との貿易摩擦問題においても注目されている。同じ中国のZTEは米企業との商取引を禁止され、スマホ事業も深刻な打撃を受けている。ファーウェイは各国の法令を遵守しているとの姿勢を崩していないが、米国の出方は気になるところだ。

こうした不安要素はあるものの、日本でのファーウェイの勢いは止まりそうにない。知名度やブランド力の不足は課題とされてきたが、大手キャリアが扱えば安心というユーザーは多いだけに、着実にシェアを伸ばしていくことになりそうだ。