LINEは3月1日、法人アカウント向けの新機能「通知メッセージ」を発表した。電気・ガスや交通、運送など6社が第一陣として採用する。この新機能でLINEは何を狙っているのだろうか。

友だち登録していないユーザーにも通知を送れる

LINEの法人向け機能としては、現在300アカウント以上が登録している「LINE公式アカウント」や、中小企業や店舗向けの「LINE@」(30万アカウント以上)の2種類がある。これらのアカウントは登録費用や通知機能に差はあるが、いずれも企業や店舗とユーザーを直接繋ぐコミュニケーション手段として広く普及している。

  • 現時点でLINEを毎月使う(MAU)ユーザーは7300万アカウントに達する。毎日利用する(DAU)ユーザーはその84%、6132万アカウントに達するという。ほぼ日本の人口の半数に達する規模だ

また、こうしたアカウントが主に企業側からの情報提供用の手段として使われているのに対し、チャットbotを導入するための「Messaging API」や、LINEアカウントと企業システムを連携させる「LINEビジネスコネクト」といった仕組みを提供することで、サポート窓口やパーソナライゼーションされたコミュニケーション手段としても機能するようになっている。競合するコミュニケーションツールと比べてもこうした機能は充実しており、LINEが日本においてコミュニケーションインフラと呼ばれる所以だ。

ただし、こうした機能はあくまで企業側のアカウントとユーザーのアカウントが「友だち」として登録されている状況でしか利用できない。たとえば製品のリコール情報などをLINEを使って告知したい場合、自社のアカウントに登録してくれている、ロイヤルティの高いユーザーにしか届かないことになる。しかし、実際はむしろそういった登録作業を億劫がるようなユーザーにこそ、通知を届けたい場合も多いわけだ。

そこで今回新たに加わった「通知メッセージ」では、企業側のアカウントと直接つながっていないユーザーに対しても通知が送れるようになる。ただしこれは全ユーザーを対象とした同通メッセージではなく、あくまで企業が送りたい相手にのみ届くという仕組みだ。