LINEの将来を占う際、重要なのがアクティブユーザー数だ。LINEは日本、タイ、台湾、インドネシアを主要エリアに定めて事業展開をしてきた。しかし、この重要指標には陰りが見えている。

LINEは主要エリアにおいて1億7000万のアクティブユーザーを抱えている。このユーザー基盤を活用して様々なサービスを展開することで、収益アップを図っているのだ。

このため、ユーザー数の減少はビジネスの根幹に関わるものとなる。少なくとも現状は収益化の余地が多分に残されており、すぐに問題にはならないが、先行きを考えると見過ごせない事態なのだ。

2017年第2四半期決算では、主要エリアの総アクティブユーザー数が減少した。2017年第1四半期の1億7100万人から漸減し、足元では1億6800万人となっている。日本国内のユーザー数は依然として伸びているものの、インドネシアで「ユーザーの伸びが止まっている(出澤剛社長)という。

  • 主要4カ国におけるMAUの推移(画像:LINE2017年第3四半期決算資料より)

こうした中で、LINEは今後、ユーザーの取り込みをどう考えているのか。この点について出澤社長は「主要4カ国でユーザーを獲得していくという戦略に変わりはない」と話す。その上で「インドネシアでは、アクティブに利用している人も多い。動画やニュースサービスでサービス拡大を図る」としている。

インドネシアでのユーザー獲得は課題であり、先行きの不透明感は拭えないのが現状だ。しかし、LINEはすでに"隠し球"をいくつも持っているようだ。

その代表となるのが「LINE Live」や「SNOW」といった人気アプリ。LINEの主要エリアとは異なる国で人気化しており、LINEに次ぐ存在として期待されている。これらのアプリで得たユーザーをLINEへつなげることも考えられそうだが、「現時点でLINEと相乗効果を生み出そうとか、将来的にどうするかは決めていない」(出澤社長)とする。

  • LINE以外にもプラットフォームかを狙えるアプリを多数抱えている

将来的にはLINEに次ぐプラットフォームになる可能性に期待しながら、各サービスを育て上げているのが今のLINEだ。ユーザーを集めて、その上でサービスを展開しマネタイズしていくという方針は変わらないと思われる。LINEの先行きを見る上でこうした別のアプリの成長にも目を配っておくほうがよさそうだ。