DTS Play-FiはWi-Fiベースの音楽再生機能を提供するだけでなく、マルチなオーディオ体験を得意としています。オンキヨー「P3」も複数台用意すれば、オーディオ機器としての用途が広がります。

具体例としては、2台のP3を左右チャンネルに割り当ててステレオ再生したり、2台以上のP3を異なる部屋に配置し同時配信したり (マルチ・スピーカー) といった使い方が挙げられます。P3だけでなく、オンキヨー、パイオニア、IntegraブランドのAV機器など、DTS Play-Fi対応機器と連携した音楽再生も可能です。同じ音源を異なる場所に設置したオーディオ機器で再生する、それぞれの音量をスマートフォンで調整する、といった活用スタイルが見えてきます。

  • 2台のオンキヨー「P3 (VC-PX30)」でステレオ再生

    2台のP3をステレオ構成で利用することも可能です

DTS Play-Fiを使ったマルチルーム再生

今回は手はじめに2台のP3を使い「マルチ・スピーカー」を試してみました。1台をリビングに、もう1台を寝室に置き、iPhoneから「ONKYO Music Control」アプリで音楽再生を指示しようという算段です。

事前の準備は、アプリに2台のP3を登録し、それぞれに名前 (リビングルームとベッドルーム) をつける程度です。オーディオソース(Spotifyやメディアサーバー)の選択は自由で、1台のときと画面構成も同じですから迷いようがありません。同じ画面上に並ぶスライダーを操作するだけで音量も調整できます。テストは日中に行いましたが、早朝であれば寝ている家人を音楽で起こす目的にも利用できそうです。

ステレオ再生のセッティングはいたって簡単

2台のP3を左右チャンネルに割り当てた「ステレオ・スピーカー」も試しました。P3を「ONKYO Music Control」アプリに登録済みであれば、設定画面で「ステレオペア」を選択し、どちらに左右チャンネルの役を負わせるかを決めるだけです。かんたんに左右を入れ替えられるので、設置したあとに作業してもかまいません。ステレオペアの解除もアプリですぐに指示できますから、ふだんはシングル、ときどきステレオという活用も可能です。

ただし、このP3はセッティングにひと工夫が必要です。スピーカーの振動が伝わることを考えずにただ置いてしまうと、低域がこもった印象になってしまいます。P3は低域の量感が多めなこともあり、これでは中高域とのバランスが崩れてしまい、P3本来の音を楽しめません。写真ではレイアウトの都合上、P3の手前に広大なスペースが生じていますが、できればテーブルの端に置きたいものです。

  • DTS Play-Fiの機能を使うと、異なる部屋に設置したP3をまとめてコントロールできます

  • 「ONKYO Music Control」アプリを使えば、ステレオペア設定や左右チャンネルの入れ替えも簡単です

音質重視でAlexa対応スピーカーを選ぶなら

このようにオンキヨー「P3」はAlexa対応スマートスピーカーとして、DTS Play-Fi対応のネットワークスピーカーとして、充実した機能を備えています。2018年1月現在、AmazonでAlexa対応スピーカーを購入できるのは、(おそらく抽選で) 招待された事前申込者に限られていますが、ここにきて招待メール到着したという報告がSNSから多く届くようになりました。スマートスピーカーを購入するならAlexa対応機、できれば音質重視でと考えるユーザにとって、P3は格好の選択肢となることでしょう。

  • ステレオペア構成にすると、アプリ上のスピーカーの表示も変化します

  • NAS上に保存されているハイレゾ音源 (FLACなど) も再生できます