ロボットホテルで話題の「変なホテル」が東京都内に進出する。エンタテインメント性の高い既存型とは異なり、"都市宿泊型ホテル"と表現するタイプのホテルとなる。気になる内部を見てきた。

変なホテルにニュータイプ登場

変なホテルは、常に変わり進化し続けることを目指したホテル。もともとはローコスト運営のため、コストの大部分を占める人件費をカットして、ロボットを活用することで、新たなホテルの形を作り出そうとしたのが変なホテルの始まりだ。

すでに3棟存在し、1号棟は長崎県のハウステンボス内に、2号棟は千葉県の舞浜に、3号棟は愛知県のラグーナテンボス内に所在。いずれもレジャー施設が隣接もしくは近隣にあることから、エンタテインメント性の高いホテルを目指してきた。

  • 「変なホテル東京 西葛西」の外観

    ホテル外観

  • 「変なホテル東京 西葛西」のエントランス

    エントランス

12月15日にオープンする「変なホテル東京 西葛西」はその場所柄、既存型とは異なり訪日旅行者を含むレジャー層を対象にし、都市宿泊型ホテルと呼ばれるものとなる。西葛西では、訪日旅行者に加え、ビジネスパーソンも対象にしているという。こうした新タイプの都市宿泊型ホテルは、H.I.Sホテルホールディングスが今後、注力していくタイプとなる。

落ち着いた雰囲気の受付

では、都市宿泊型ホテルはどのようなものなのか。過去に舞浜を訪れたことのある筆者の率直な印象として、既存型と様変わりするようなことはなかったが、細かな気配りはあったように思える。

まず、受付自体は、恐竜のロボットが対面し、タッチパネルを操作しながらチェックインをするのは、舞浜も西葛西も同じ。

  • 「変なホテル東京 西葛西」の受付

    フロントは恐竜ロボットがお出迎え

ただし、新店舗の西葛西に入って気づくのは、賑やかさを抑え、落ち着きのある雰囲気になっていることだ。舞浜ではホテルロビーで、多数の恐竜ロボットがお出迎えしてくれるが、西葛西では受付のみ。照明も落ち着いていた。

  • 受付のタブレット

    チェックインはタッチパネルで。5カ国語対応で音声案内も可

  • 自動精算機

    チェックアウトも自動精算機で行なう

客室も雰囲気が少しばかり違う。舞浜ではエンタテインメント性を高めるために、世界観を恐竜で統一し、客室に恐竜の絵、恐竜の卵を象ったタピアと呼ばれる音声認識スピーカーがあったが、いずれも西葛西にはなかった。

  • 客室入り口の画像

    客室に入っていくと……

  • 客室の画像

    落ち着いた雰囲気に

変化は少ないながらも、目を引いたのは「LG スタイラー」だ。LG スタイラーはクローゼット型の衣類リフレッシュ機。衣類を中に入れて作動させることで、服のしわや匂いなどを取り払ってくれる。

  • LG スタイラーの画像

    結構大きい

  • LG スタイラーの画像

    開けるとこんな感じ

宿泊者が国内外問わずに通話無料で使えるスマートフォンの「handy」やスマートフォンの表示画面をTVに映し出す「Chromecast」なども備わっていた。

  • 通話無料で使えるスマートフォンの「handy」の画像

    宿泊客に貸し出す通話無料のスマートフォン「handy」

  • 「iRemocon」の画像

    客室のエアコン、照明、テレビなどはiRemoconを通じて操作が可能

  • LG製の液晶テレビの画像

    テレビはLG製の49インチ液晶 4Kテレビ

同社が標榜する「都市宿泊型」の要件はこのあたりの設備が共通しており、とくにLGスタイラーはビジネスパーソンにとって嬉しいものとなるだろう。

このほか、ホテル宿泊者はホテル隣接のレストラン「オリオリ」で47都道府県の具材が楽しめるおにぎりを無料で食べることができる。

  • 宿泊者はホテル隣接のレストラン「オリオリ」で47都道府県の具材が楽しめるおにぎりを無料で食べられる

H.I.Sホテルホールディングスは西葛西を含め、都市宿泊型を2018年9月中までに、10軒オープンさせる計画を発表しており、これまでエンタテインメント性の高い3軒は、概ね成功を収めてきたようだが、都市宿泊型はこれまでとは違うターゲットとなる。上記の細かな気配りが新たなターゲットからも支持されるか否か、変なホテル東京 西葛西はこのあたりのテスト的役割を果たすことになりそうだ。