代替機能はホームボタンのように、誰もが簡単に覚られて使いこなせるものでなければならない。また、画面表示や生体認証も含めて、ミリセカンド単位の遅れも生じさせないチューニングを施さなければ、顧客体験の改悪をすぐに見抜かれてしまう。

そこでAppleは、ホームボタンが担っていた役割を、3つに振り分けて分散させた。1つは画面下部のジェスチャー。2つ目はサイドボタン、そして3つ目はFace IDだ。

ホームボタンを押し込むという、人々が最も頻繁に利用しているアクションは、画面下縁から上への短いフリックに変更された。この操作をすると、開いているアプリ画面が縮小してアイコンに吸い込まれるようなアニメーションが表示される。

このジェスチャーとアニメーションの組み合わせは、アプリの画面の下端をめくって片付けるというイメージを与え、画面下のフリックの定着を助けてくれる。非常に細かいが、ユーザーに対して、新しい操作方法を覚えてもらう工夫がある。