表現力も増した。瞳には有機ELを採用し、様々な感情を豊かに表現。また、全身には自社開発したという合計22軸のアクチュエーターを搭載し、様々な動きを可能にしている。先代アイボも多彩な動きを見せていたが、今回はさらに腰を振る動きや首をかしげる動作を追加。耳や尻尾の動きを同期することで、「生命感を増した」という。

アイボにはスマートフォンなどにも使われるプロセッサ「Qualcomm Snapdragon 820」が搭載されており、さらに内蔵のLTEやWi-Fiで通信することもできる。各アイボの情報は事前にオーナーの同意を得た上でクラウド上のAIに集積、それらが集合知となってそれぞれのアイボに反映され、学習を深めていくという流れだ。Wi-FiだけでなくLTEも採用したのは、高齢層にとってWi-Fi設定のハードルが高いという事情があるとのこと。

さらに専用アプリ「My aibo」を使えば、外出時などでも仮想空間でアイボと遊ぶことができる。今後はDLコンテンツやIoT連携、ユーザー参加型のアイボ成長システムなども導入していく予定だ。

My aiboアプリのイメージ。仮想空間でアイボと遊べる

アイボの主な想定顧客となるのは高年齢層と40~50代。そこからファミリーなど幅広く展開していく狙いだ。販売台数については「読みづらいが内部的には想定している数字はある」(平井CEO)と明言を避けた。ちなみに1999年から2006年まで販売したアイボは、累計で15万台を記録している。

先代モデルのサポートが2006年で打ち切られているが、今回のアイボについては「できるかぎり継続していきたい。トータル10年を目安にしているが、それ以上使われるケースも想定しているので、サポートしていきたい」(平井CEO)とのこと。また、「クラウドのAIでユーザー環境をバックアップしているので、もし買い替えていただけたなら新しいアイボにそれまでのデータをダウンロードすることもできる」という。

発表会では実際にアイボの動きを見ることができた。デザインがより犬らしくなり、スムーズで複雑さを増した動きは、かなりリアルさが増したという印象。周囲の環境を把握し、成長するというシステムにも期待したいところだ。

なお、aiboの発売日は2018年(戌年)の1月11日。発表日や予約開始時間と同じく、"わんわんわん"となっている。