ソニーモバイルコミュニケーションズは、同社のXperiaスマートプロダクトシリーズの新製品として、家庭用コミュニケーションロボット「Xperia Hello!」を発表した。昨今話題となっているスマートスピーカーに似ているが、果たしてどのような実力を持つプロダクトなのだろうか。

家庭用コミュニケーションロボット「Xperia Hello!」

「Xperia」=高級スマートデバイスのブランドへ

ソニーモバイルの「Xperiaスマートプロダクト」シリーズは、2016年2月に現行のスマートフォン・Xperiaシリーズと同時に発表された製品群だ。コンセプトとしては、Xperiaというシリーズ名をスマートフォンだけでなく、スマートデバイス全体に適用しようという、一種のブランド戦略のようなものだと考えればいいだろう。

Xperiaスマートプロダクトは、発表と同時に登場したスマートイヤホンの「Xperia Ear」に加え、いくつかのコンセプトモデルが発表されていた。単焦点プロジェクター搭載のAndroid端末「Xperia Projector」は後に第二弾プロダクトの「Xperia touch」として製品化され、今回の「Xperia Hello!」(コンセプト時点では「Xperia Agent」)が第三弾となる。まだ製品化されていないものとしてはライフログカメラの「Xperia Eye」があるが、これもいずれ市場に投入されそうだ。

Xperiaスマートプロダクトに共通するのは高級感が醸し出されていること。ソニーはQUALIA、ESPRITといった高級ブランドを立てては潰してきたので若干不安を感じさせないでもないのだが……

聞かれていないことも教えてくれる自律的ロボ

さて、Xperia Hello!を一言で表すならば「Android OSを搭載し会話できるロボット」だ。ソニーモバイルの発表資料によれば、「家族の集う場で、家族の一員となる存在」を目指したという。

ロシアの「マトリョーシカ」を思わせる、やや下膨れな形状が可愛いXperia Hello!。目は5灯のLEDで構成されており、瞬きなどのアニメーションで表情をつけられる

背面にはNFCマークが。実際NFCを搭載しているのだが、現時点では特に用途は明らかにされていない

発表会で流されたコンセプトムービーを見ると、家族の集まるリビングにXperia Hello!が置かれ、「ハイ、エクスペリア」と呼びかけることで起動。調べ物を頼めばWikipediaを検索して読み上げ、LINEを通じて家族とメッセージのやりとりや、搭載したカメラによる部屋の中の遠隔監視ができる。

腹部のディスプレイにさまざまな情報を表示する「インフォテイメント」機能。近づいてくるユーザーを認識して表示する内容を変更できるという

誕生日などを登録しておけば、その日が近づいてくるとHello側からアクションを提案してくれる

外部からLINEでHelloに家族宛のメッセージを送信しておくと、顔認識で特定の人に向けたメッセージをきちんと相手だけに伝えてくれる

外から部屋の様子を監視するために、ぐるりと360度のパノラマ撮影をする場合は、室内にいる人の許可が必要になる。ちなみにこの操作はLINEのトーク画面から行う。LINE Messaging APIを使っているようだ。なお、「誰かを家で見かけたかどうか」を確認するだけだけなら許可は必要ない

ここまでなら、昨今話題となっているスマートスピーカーと同じだが、Helloの真価はここからだ。Helloは聞かれたことに答えるだけでなく、自律的にHelloのほうから話題を持ち出して話しかける、といったことすらやってのけるのだ。