iOS 11はiPhone 8シリーズ発売に先駆けて、一般にリリースされた。これまでのiPhone、iPadだけでなく、iPhone 8やiPhone Xといった最新モデルもカバーするモバイルOSとして、様々な側面で強化が進んでいる。

AppleはiOS 11で、Siriによる自分の情報の分類、機械学習処理、そして拡張現実といった機能を、OSの標準的な体験として採用している。もちろんこれらはアプリ開発者に対して提供されるフレームワークでもあるが、Apple自身が、標準アプリの中で活用するようにもなっている。

iOS 11では、カレンダーやメッセージなどにある行き先の認識が、Siriによってより高度化された

Siriの標準検索エンジンはiOS 11からGoogleに統一されることになったが、地図については、iOS 6でApple独自のマップを採用してから、既に5世代と成熟の度合いを高めてきた。マップと各種標準アプリとの連携機能も強化されている。特にディープに連携するのは、カレンダーとSMSやメールなどのコミュニケーション系アプリだ。

カレンダーでは、時間通りに目的地に辿り着けるよう、場所を設定できる。Siriによるメールやメッセージ検索によって、手軽に場所入りのスケジュールを作成することができるようになっているのだ。マップを開けば、行き先を文字入力する前に、直近のスケジュールで行った場所を提案してくれ、それらをタップするだけで目的地として設定できるようになっている。

またこれはGoogleマップとGmailの連携でも実現していることだが、iOS 11のマップでは、カレンダーのスケジュールの場所と時間を地図上に書き込んでくれるようになった。これにより、地図検索を開くまでもなく、スケジュールの場所を地図上から見つけ出して、タップするだけでナビゲーションを開始できるようになった。毎日地図を開く中で、少しずつ、自分で行わなければならない入力作業が減っていく。そんな体験がiOS 11のマップで齎されるようになるだろう。