9月12日(米国時間)、AppleがiPhoneの新モデル、iPhone 8シリーズとiPhone Xを発表した。iPhone 8は現行モデル・iPhone 7の後継で、順当に細部が強化されたマイナーチェンジ製品。一方、iPhone Xは5.8インチのOLED(有機EL)を搭載し、噂通りTouch ID(ホームボタン)が省かれたオールスクリーン仕様となった。しかしこの3モデル、何がどう違うのか。公式のスペック表を比べて、ハードウェアを中心とした、大まかな機能の違いを見てみよう。
iPhone 8 | iPhone 8 Plus | iPhone X | |
---|---|---|---|
OS | iOS 11 | ||
CPU | A11 Bionicチップ(ニューラルエンジン) | ||
GPU | M11モーションコプロセッサ | ||
容量 | 64GB / 256GB | ||
ディスプレイ | 4.7インチ LCD | 5.5インチ LCD | 5.8インチ OLED(HDRサポート) |
解像度 | 1,334×750ピクセル、326ppi | 1,920×1,080ピクセル、401ppi | 2,436×1,125ピクセル、458ppi |
リアカメラ | 12MP(F1.8) | 12MP広角(F1.8)と12MP望遠(F2.8) | 12MP広角(F1.8)と12MP望遠(F2.4) |
フロントカメラ | 7MP | ||
光学ズーム | 最大5倍(静止画)/最大3倍(動画) | 最大10倍(静止画)/最大6倍(動画) | |
認証 | Touch ID | Face ID | |
バッテリ駆動時間 | iPhone 7より最大2時間長い/ビデオ再生時最大13時間 | iPhone 7 Plusとほぼ同じ/ビデオ再生時最大14時間 | iPhone 7とほぼ同じ/ビデオ再生時最大13時間 |
FeliCa | ○ | ||
対応SIM | nanoSIM | ||
充電 | ワイヤレス充電(Qi)/Lightningケーブル | ||
本体サイズ(W×D×H) | 67.3×7.3×138.4mm | 78.1×7.5×158.4mm | 70.9×7.7×143.6mm |
重量 | 148g | 202g | 174g |
カラー | シルバー、スペースグレイ、ゴールド | シルバー、スペースグレイ | |
価格(税別) | 78,800円~ | 89,800円~ | 112,800円~ |
表を見比べてみると、CPUやGPU、容量など主要なハードウェアは共通しているが、大きな部分で●ディスプレイサイズ(本体サイズ)、●解像度、●重量、●認証センサー、●カメラなどが異なっている(表では省いているが、ポートレートモード対応の有無など、機能面での違いもいくつかある)。
ディスプレイサイズや解像度は、この3つの新プロダクトが異なる製品なので当然だが、意外だったのが重量差ではないだろうか。5.8インチのiPhone X(174g)よりも、5.5インチのiPhone 8 Plus(202g)の方が重い。
実はiPhone XとiPhone 8 Plusは、ディスプレイサイズこそiPhone Xの方が大きいが、本体サイズはiPhone Xのほうが小さい。また、恐らくだが、iPhone Xで搭載する有機ELと、iPhone 8シリーズで搭載するLCD(液晶)の、ディスプレイの仕組みの違いも重さに影響していると思われる。有機ELはバックライトが不要で薄型化・軽量化しやすいことが特徴。LCDは基本的にバックライト・液晶パネル・偏光フィルムといった複数のパーツが必要となり、重量は(有機ELに比べると)重くなりがちだ。
認証センサーについては、iPhone 8シリーズでは今まで使ってきたTouch ID(ホームボタン)を継続して搭載するが、iPhone Xではこれを省き、フロントに搭載された赤外線カメラと各種センサーによる顔認証を採用した。ちなみに、ホームボタンの代わりに、画面最下部から上に指をスワイプさせることで「ホーム」に戻ることができる。
また、iPhone Xのバッテリ駆動時間は、公式のスペックで「iPhone 7より最大2時間長いバッテリー駆動時間」と記載されている。一方、iPhone 8/8 Plusは"iPhone 7/7 Plusとほぼ同じバッテリー駆動時間"となっていることから、iPhone Xのバッテリ駆動時間はiPhone 8よりも約2時間長いということになる。しかし、インターネット利用時間やビデオ再生時間は、iPhone 8とiPhone Xでスペック値が同等のことから、駆動時間に大きな差はなさそうだ。