米Appleが8月1日(現地時間)に発表した2017年度第3四半期(2017年4月~6月)決算は売上高、1株利益ともに市場の予想を上回った。Mac、iPad、サービスが好調であったことに加えて、次世代製品の噂の影響による買い控えが懸念されたiPhoneもアナリストの予想を満たした。第4四半期(2017年7月~9月)の売上高見通しについては、アナリストの予想平均が492億ドルだったのに対して、iPadの回復、サービスの堅調な伸び、iPhoneの底堅い需要を踏まえて490~520億ドルと予測した。

4~6月期の売上高は454億800万ドルで、前年同期比7%増。純利益は87億1700万ドルで同12%増、希薄化調整後の1株利益は1.67ドル。アナリストの予想平均は売上高448億9000万ドル、1株利益1.57ドルだった。

Appleは3月後半に、37,800円からという手頃な価格の9.7インチ「iPad」とiPhone 7シリーズの(PRODUCT)RED Special Editionを発売。6月に、新しい10.5インチと12.9インチの「iPad Pro」、第7世代Intel Core (Kaby Lake)を搭載したiMac、MacBook、MacBook Proを発売した。以下は6月期の製品別の販売台数と売上高(増減は前年同期比)。「その他の製品」は、Apple TV、Apple Watch、Beats製品、iPod、Appleブランドのアクセサリなどを含む。

  • iPhone:販売台数4102万6000台(2%増)、売上高248億4600万(3%増)
  • iPad:販売台数1142万4000台(15%増)、売上高49億6900万ドル(2%増)
  • Mac:販売台数429万2000台(1%増)、売上高55億9200万ドル(7%増)
  • サービス:売上高72億6600万ドル(22%増)
  • その他の製品:売上高27億3500万ドル(23%増)

ここ数年Appleは9月にiPhoneの新製品を発表しており、新製品待ちで買い替えを控えるiPhoneユーザーが増え始める6月期は季節的にiPhoneの販売台数が落ち込む。特に初代iPhoneの登場から10周年になる今年は、早くから次期iPhoneが大幅刷新になるという噂が飛び交っており、例年以上の減速が予想されていた。そうした中で販売台数、売上高ともに前年同期を上回った。特にiPhone 7 Plusが好調で、前年同期に595ドルだったASP (平均販売価格)が606ドルに上昇した。逆にiPadは9.7インチのiPadによってASPが下がり、販売台数15%増に対して売上高は2%増にとどまった。MacはMacBook ProとiMacが好調。急成長を続けるサービスは、再び売上高の過去最高を塗りかえた。

地域別では、アメリカス、欧州、アジア太平洋地域(中国と日本を除く)で売上高が二桁の伸びだった。中国だけが前年同期比10%減と減少。日本は売上高36億2400万ドルで3%増だった。