8日(現地時間)、Microsoftは最新のWindows 10であれば次世代のランサムウェア(身代金要求型マルウェア)から身を守れると、公式ブログでアピールした。Windows 10 Creators Updateが備えるControl Flow Guard(関数実行時に呼び出せるアドレスを管理し、意図しない場所へのアクセスを未然に防ぐ方法)などの防御方法で、今後現れるランサムウェアの脅威も防ぐと語る。直近では2017年5月に「WannaCry(Crypt)」が猛威を振るい、ランサムウェアの危険性を世界中に示した。

Microsoftはハードウェアおよびソフトウェアの両側面から、Windows 10に対する攻撃コストを大幅に引き上げつつ、Windows DefenderやWindows Defender ATP(Advanced Threat Protection)などの保護サービスを通じて、セキュリティ脅威の検出と防御を支援。そしてWindows Defender ATPなどのツールを通じて、顧客やセキュリティ専門家への情報提供に努めると説明している。

「Next-gen ransomware protection with Windows 10 Creators Update」(PDF)

Windows 10は過去のOSと比べるとUEFI Secure BootやVirtualized Based Securityなど独自の多層防御壁を備え、バックエンドではクラウド&AI(人工知能)を活用したIntelligent Security Graphで新たな脅威を迅速に識別しているという。また、記事を執筆したMicrosoft Windows Enterprise and Security Director of Program ManagementのRobert Lefferts氏は、今秋のリリースに合わせた新たなセキュリティ強化で、今夏は大変だと文を結んでいる。察するにWindows 10 Fall Creators Updateでは、セキュリティ面でも何らかの強化が施されるのだろう。

なお、Microsoftは詳細情報をまとめたホワイトペーパー「Next-gen ransomware protection with Windows 10 Creators Update」をPDF(英語版)で公開している。

阿久津良和(Cactus)