3つめはmacOSだ。現在のmacOS 10.12「Sierra」の後継は、カリフォルニア州のシェラネバダ山脈の別称である「High Sierra」となった。バージョン番号は10.13となる。High Sierraでは「Safari」が改良され、「世界最速のデスクトップブラウザ」になると宣言。動画や広告の自動再生をオフにする機能やインテリジェントにブラウザ履歴の追跡を禁止する機能、「Mail」で保存したメール容量を約35%縮小する機能、ビデオ再生コーデックとして「H.265」が採用されること(ハードウェア支援が受けられるのは27インチのiMac Late2015、MacBook Early 2016、MacBook Pro 2016以降)、「写真」の強化された編集機能などが追加される。

同じような名前が続くのは「Leopard(10.5)」・「Snow Leopard(10.6)」、「Lion(10.7)」・「Mountain Lion(10.8)」に続いて3度目。地名シリーズもそろそろネタ切れか?

個人的に気になったのはテクノロジー関係で、iOS 10に続きmacOSでもいよいよ標準ファイルシステムが古いHFSの名残であるHFS+から、Apple File System(APFS)に変わること、外部グラフィック用API「Metal 2」へのアップデート、そしてVR用の「Metal for VR」が提供されることだ。

ファイルシステムの変更により、SSDのようなモダンなシステムでのファイルコピーなどが大幅に高速化されるほか、安全性も高まる。Metal 2ではThunderbolt 3による外付けGPUサポートやパフォーマンス向上などもさることながら、昨今のGPUの利用対象として人気が高い機械学習用の機能も提供される。そしてMetal for VRは、PCと比べて遅れがちだったMacでのVR体験を改善してくれるものになるはずだ。VRコンテンツの制作環境としてFinal Cut Proなども使えるようになるとのことなので、MacでもこれからVRブームが到来するかもしれない。

macOS High Sierraはデベロッパー向けベータ版が公開済みで、6月中にパブリックベータが公開され、今秋に無償リリース予定だ。対象ハードウェアはLate 2009のMacBookとiMac、それに2010年以降に販売されたMacBook Air/Pro、Mac mini、Mac Proとなる。

そのまま引き続き、Macのハードウェア刷新についても触れられた。