甘くない動画投稿サイト運営、スター誕生なるか

YouTubeなどの先行者がいるなかで、動画投稿サイトに挑戦することについて問われた大多氏は、「そんなに甘くない」と同事業の難しさを率直に認めた。当面の目標としては、1万人の投稿者を抱える月間再生回数1,000万回規模のサイトを目指すという。

地上波で放送している番組とドリファクの連動や、テレビ局の情報発信力をいかしたプロモーションなど、フジテレビならではの強みもいくつかはある。しかし、すでに「YouTuber」という概念まで確立させてしまった先行者に迫るのは、はっきり言って相当むずかしそうだ。

「まずはサクセスストーリーを」と大多氏も語っていたが、ドリファク出身のスターが1人でも誕生すれば、このサイトの知名度も徐々に上がっていくかもしれない。例えば、ものまね動画で人気を得た投稿者がフジテレビの「ものまね紅白歌合戦」に出演し、ゆくゆくはスターになる、というような実例が生まれるかどうかが焦点だ。

今回の発表は、あくまでフジテレビとMSがドリファクで協力するという内容だったのだが、テレビ局がAIを利用することで、できることは増えそうな印象を受けた。AIはコンテンツをより多くの人に、より便利に伝える手段として活用できる。コンテンツの製作にかけてはテレビ局がプロフェッショナルだ。例えばドリファクに、フジテレビのコンテンツ製作能力を活用したオリジナルコンテンツを載せるような手法も、テレビ×AIの可能性を試す上で有効な手立てなのではと感じた。