Samsung Electronicsは2月26日(欧州時間)、スペインのバルセロナで開催される「MWC 2017」に先駆け、タブレット新製品「Samsung Galaxy Tab S3」と2-in-1デバイス「Galaxy Book」を発表した。本稿ではイベント終了後のハンズオンの模様を紹介する。

Samsung Galaxy Tab S3

前モデルの「Galaxy Tab S2」から1年半ぶりの登場となる「Galaxy Tab S3」だが、通常のAndroidタブレットとしての利用だけでなく、キーボードカバーを接続しての各種作業が行える仕組み、そしてLTEへの対応など、前モデルの特徴を引き継いでいる。最大の違いは、今回のモデルがSペンをサポートした点で、Samsungがタブレットや大画面スマートフォンなどGalaxyのラインナップ全体にSペンを普及させて差別化させていこうという意思がうかがえる。一方でS2時代に比べて若干本体の厚みが増しており、それにともなって重量もわずかに上がっている。

Galaxy Tab S3は9.7インチモデルのみの登場。Sペンに対応する一方で、前モデルよりも厚みと重量が若干増している

そのほか、S2時代には8.0インチと9.7インチの2種類のモデルが用意されていたが、S3の世代では9.7インチのみの登場となった。今回8.0インチのラインを切った理由は不明だが、6インチ弱のGalaxy Noteシリーズと画面サイズ的に接近しており、可搬性重視の場合はNote、それよりも広い画面で落ち着いて作業する場合はTab Sという形で差別化するためではないかと予想する。最新のGalaxy Note 7は、バッテリーの発火問題でリコールされてしまうという残念な結果になったが、2017年後半リリースに向けて新モデルの開発が進んでおり、そちらが小型タブレットの抜けた穴を埋めることになると思われる。

本体底面にはUSB 3.1 Type-Cとイヤフォンジャックのコネクタ

本体側面にはPogoキーボード接続用の端子

本体内蔵のクアッドスピーカーはHarman傘下のAKGによってチューニングされたもの。ロゴも付与されている

オプションの新Sペン。ペン先が0.7mmと細くなり、筆圧検知がよりシビアになっている

Galaxy Book

Windows 10を搭載した2-in-1 PCとして、「Galaxy Book」の名称を冠した製品が用意されている。10.6インチモデルはKaby Lakeこと第7世代Core m3プロセッサを採用し、USB 3.1 Type-Cポートを1つ備える。またLTE搭載モデルとWi-Fiオンリーモデルの2種類が用意されており、用途に応じて選択可能だ。12インチモデルは第7世代Core i5プロセッサを採用し、インタフェースとしてUSB 3.1 Type-Cを2ポート備える。LTEとWi-Fiの2モデルが用意されるのも同様で、さらに12インチモデルのみAMOLEDディスプレイとなっている(10.6インチモデルはTFT液晶)。

12インチモデルはAMOLED採用のディスプレイを採用したWindows 10搭載の2-in-1タブレット。同系列のマシンとしては初めてS Penに対応し、関連アプリやサービスがWindows上で利用できるようになっている

両者共通の特徴としてはSペンをサポートしたことで、既存のGalaxyシリーズで利用可能だったSペン関連のアプリやサービスがWindows 10上でも利用できるようになったのが大きな特徴だ。またGalaxy BookにはキーボードからSペンまで、周辺機器一式が同梱されるため、オプション類を新たに買い足す必要がない。廉価版の10.6インチモデルと高性能版の12インチモデルという位置付けだが、いずれにせよSペンを広いラインナップで積極的に普及させたいという点で戦略は一致している。

Galaxy Bookを側面から見たところ。USB 3.1 Type-Cポートが2つあるのがわかる