―― CES 2017では、自動運転に関する展示が増加していた。ソニーは、カーエレクトロニクス事業についてはどう取り組むのか。
平井氏「自動運転が進展すると、車内での時間の使い方が変わってくる。車内におけるエンターテインメントの要素が生まれてくるからである。そこに対して、ソニーはどう取り組むかを議論しているところだ。自動車メーカーからも、『ソニーは自動運転時の車内空間をどう使っていくのか』という点について、議論したいという声をもらっている。こうした議論をこれから進めていく」
―― AIおよびロボティクスへの取り組みをどう考えているか。
平井氏「昨年、この分野に特化した組織を社長直下で作った。技術検討や人材育成、商品化に向けた取り組みのほか、社内にないものを獲得するにはどうするかといった議論を重ねてきている。今年もさらに資金を投入して、商品化に向けて加速したい。具体的なことを発表するにはまだ時期が早いが、より積極化したい分野であることは間違いない」
―― スマホのカメラに2個のレンズユニットを採用する例が増えている。イメージセンサー事業への影響はどうか。また、Xperiaはデュアルレンズにはなっていないが、今後どうするのか。
平井氏「ユニットが2つ搭載されれば、イメージセンサー事業にとっては『2回おいしい』という話になる。スマホ市場全体の伸びが鈍化しているが、二眼になることで、イメージセンサービジネスという観点では、スマホ市場が鈍化しているスピードを抑えることができる。だが、理論的にはポジティブだが、二眼を搭載したスマホの構成比は少ない。今後、二眼スマホのメリットを浸透させることができるどうかが鍵になる。
Xperiaのカメラは表裏とも単眼だが、今後、どうするのかといったことは、社内で検討をしているところである。個人的な意見では、表側のカメラを二眼にしたことでメリットを出せているのであれば、裏側のカメラも二眼にすれば面白いことができるかもしれない。スマホ撮像の楽しさを高めることができる。そこに、ソニーのイメージセンサーを利用してもらえば、事業はさらにポジティブになる」