AirPodsで実現していることは、バッテリーライフ、接続性など、個別に見ればこれまでのBluetoothオーディオでも実現してきた。それを片耳4gのパッケージにまとめ、馴染みのあるEarPodsと同じデザインに仕上げた点は驚きであった。
AirPodsも、ヘッドホンジャックがないiPhoneと組み合わせて購入する「このクリスマスの目玉」となるべき製品だったが、手に入れられる人は一握りになる見通しだ。
同じくW1プロセッサが搭載されるBeatsのSolo3 WirelessとPowerbeatsはすでに発売されている。どちらもW1プロセッサによってバッテリー効率が向上し、前述の接続性も獲得している。もう一つの新製品、BeatsXは、オンラインストアでは2月発売と案内されている。
Beats製品に限らず、Bluetoothヘッドフォンの選択肢は無限とあるが、Appleが提案する「ワイヤレスオーディオが未来である」というメッセージを体験する人々が、思ったほど増えないという状況は、早く解決すべきだと感じている。
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松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura