子供の頃に夢見た「宇宙旅行」。それが現実のものとなるかもしれない。国内唯一の有人宇宙機開発会社であるPDエアロスペース(以下、PD社)とエイチ・アイ・エス(以下、H.I.S.)、ANAホールディングス(以下、ANAHD)が民間主導による宇宙飛行機の開発を行うことに合意、資本提携した。

開発を進めている有人宇宙機のイメージ

実現のカギを握る次世代エンジンとは

「宇宙をもっと身近に」を企業ミッションとし、低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラの構築に向けて事業展開するPD社。彼らが現在開発中なのが、これまでの垂直打ち上げ型ロケットと違い、航空機スタイルで離着陸ができ、繰り返し利用できる完全再使用型サブオービタル宇宙機。成功の鍵を握るのは、世界初の試みとなる「燃焼モード切替エンジン」だ。

このエンジンは、離着陸時には旅客機と同じジェットエンジン、空気が薄くなる高度15kmから上はロケットエンジンに切り替えられるのが特徴。これまで相容れなかったジェットエンジンの機能とロケットエンジンの機能が一体にまとまるため、システムが簡素になり、重量も軽減される。

加えて、従来のロケットは、一度使えばそれで終わり。打ち上げるたびに新たに製造する必要があり、コストがかかっていたが、彼らの機体は完全再使用型。製造コストも、運用コストも大幅に削減することができるのだ。

また、普通の飛行機と同じように離着陸が可能となるため、専用のスペースポートを新たに設置する必要がなく、既存空港を宇宙港として活用できる。