新興市場では利益が出ない

販売台数は85%以上を占めているにもかかわらず、利益が出せていないのがAndroid陣営、という構図ができあがったのは今に始まったことではない。年率6%、直近の2016年第3四半期には3億4500万台に上る販売を記録するなど、スマートフォン市場は依然として成長を続けている。

調査会社ガートナーによると、米国や欧州、日本、そして中国ではスマートフォンの普及が90%を超え、こうした国々で利用される高付加価値のスマートフォンの買い換え周期も2.2年から2.5年に安定していくとみられている。つまり、先進国における高価格帯のスマートフォンは、安定した販売台数と収益が将来的にも見込める。

しかし、低価格帯のスマートフォンの買い換え周期は3年以上となっている。これからのスマホ普及の中心はインドと、サハラ砂漠以南のアフリカ地域であり、フィーチャーフォンからの買替え需要が今後も高まっていくとの予測だ。

もちろん現在スマホが普及の過程にある国々でも、中国のように飽和以降、高付加価値のスマートフォンへとその中心が移行していく可能性はある。ただ、それまでの期間、Androidスマートフォンメーカーは、インドで100ドル以下、アフリカではさらに安い価格のスマートフォンを大量に供給し続けるだけの体力や、安く作る工夫を続けることになる。

この状態が続けば続くほど、「儲からないAndroidスマホ」という現象は強化されていくと考えられる。