iPhoneの収益構造

高い収益性を誇るiPhoneでしばしば指摘されるのは、販売価格と製造原価の大きな差だ。英国IHS Markitによると、2016年9月にアップルが発売した4.7インチのスマートフォン、iPhone 7の部品と組み立てにかかるコストは224.80ドルと試算した。

この価格はiPhone 6sと比べて36.89ドル高くなっており、ディスプレイの高画質化、通信チップ、プロセッサの高速化などの影響が大きい。なお、組立コストの試算は5ドルだった。それでもなお、販売価格649ドルのiPhone 7の原価が224.80ドルという数字は、スマートフォンの中で最大の利ざやを確保する数字だ。サムスンのGALAXY S7の原価は255ドルで、iPhone 7よりも高くなっている。

ただし、iPhoneから得られる利益は、最も安い価格のiPhone 7 32GBだけで語るべきではない。

アップルはiPhoneのラインアップを、100ドル刻みで展開しており、画面サイズ、より大きなストレージ容量に応じて、100ドルずつ追加されていく仕組みだ。例えば、5.5インチのiPhone 7 Plus 128GBモデルを選ぶと、画面サイズで100ドル、ストレージで100ドル追加され、販売価格は849ドルになる。

ストレージサイズにおいて100ドル刻みでラインアップを展開するiPhone

ただし、ストレージもディスプレイも、前述の原価で100ドル高くなるわけではない。それぞれ20ドル程度のコスト増に留まる。つまり、大きな画面サイズ、大きなストレージのモデルが売れれば売れるほど、iPhoneから得られる利益幅は大きくなっていく。

iPhoneはロイヤリティの高いスマートフォンブランドであり、他社製スマートフォンへの乗り換えは10%以下に留まる。長年iPhoneを使っていけば、より大きなストレージが必要になることから、自然と販売価格は上昇していく。

新興市場で利ざやが落ち込んでいくAndroidスマートフォンメーカーとは全く異なる構造を、アップルは手に入れているのだ。