オーディオテクニカは10月13日、新製品発表会「audio-techinica Experience 2016」を開催。フルデジタルのワイヤレスヘッドホンやアナログプレーヤー用カートリッジなど多数の新製品を発表した。

今回も新製品を大量発表

代表取締役社長 松下和雄氏

発表会の冒頭では、代表取締役社長 松下和雄氏が昨年の振り返りとこれからの取り組みについて説明。昨年発表した低音重視のヘッドホン「SOLID BASSシリーズ」が好調なこと、7年連続ヘッドホン国内シェア第1位の座をキープしたことについて触れた。国内外で新製品が高評価を得たことは、グローバル化の推進が奏功したものだとして、技術に磨きをかけ今後も取り組みを続ける姿勢を強調した。

続いて登壇した広報宣伝課 マネージャー 松永貴之氏は、今年の新製品は「ホームユース」と「ポータブルユース」がテーマだと説明。ホームユース製品としては祖業であるカートリッジを刷新、VMカードリッジ9製品に加えて、7年ぶりとなるアナログターンテーブル2製品を投入すると発表した。ポータブルユースについては、原音再生・高解像度・高レスポンスを掲げる「Sound Reality series」のヘッドホンを拡充。さらにiPhone 7のイヤホンジャック廃止など環境変化を受け、高音質・高機能化が求められるワイヤレスモデルをアピールした。

7年振りとなるアナログターンテーブル2製品も発表された。左から、「AT-LP5」「AT-PL300USBII

発表されたヘッドホン製品は、オーバーヘッド型がSound Reality seriesから8製品、インナーイヤー型が「LS」シリーズから5製品。同社初となるヘッドホン用交換ケーブルは、オーバーヘッド用とインナーイヤー用が各2の計4製品が用意される。

オーバーヘッド型ヘッドホンの新製品は、4製品がBluetoothに対応、うち「ATH-DSR9BT」(推定60,000円前後)と「ATH-DSR7BT」(同33,000円前後)の2製品は、受信したデジタル信号を最終段のドライバーまで高純度伝送する新技術「ピュア・デジタル・ドライブ」を採用している。クアルコムの48kHz/24bit対応Bluetoothコーデック「apt-X HD」のサポートと、パソコンとのUSB接続時に最大96kHz/24bitのハイレゾ再生が可能なこともポイントだ。他のワイヤレス2製品は有線接続モデル(ATH-AR5、ATH-AR3)をベースに開発されたもので、apt-X HDやUSB接続には対応しない。

ATH-DSR9BT

ATH-AR5

ベストセラーヘッドホン「ATH-MSR7」の上位機として、有線接続の「ATH-SR9」(推定50,000円前後)も投入

インナーイヤーのLSシリーズは、BAドライバーを搭載した3モデルを発表。最上位モデルの「ATH-LS400」(推定60,000円前後)は、低域×2、中域×1、高域×1の計4基からなる専用設計された「クアッド・バランスド・アーマチュアドライバー」を搭載。チタンと樹脂でハイブリッド成形された金属性導管を採用、その導管に対し直列となるよう高域用BAドライバーを配置することで、高域特性に優れた音場の獲得と音響特性向上を狙ったという。

LSシリーズ最上位の「ATH-LS400」。4基のBAドライバーを搭載