一眼レフをお持ちの読者諸氏なら知っている人も多いと思うが、魚眼レンズは光学的に無理が大きく、良好な画質を維持するのは非常に難しいのだ。特に画面端では像が流れたり、色が滲んだりしやすい。対角魚眼よりさらに画角が広い、円周魚眼ではなおさらだ。

おそらくは、FR200の映像エンジンが上手に補正しているのだろう。端正な画作りには正直驚いた。しかも、円周魚眼レンズはそれだけでも高額だ。(FR200のそれが)いかに1/2.3型センサー用のレンズとはいえ、防塵・防水、耐衝撃仕様のカメラにセットされて6万円以下で買えるとは!(※2016年9月13日時点。筆者調べ)

全天周画像の作例。隅々まで、実に良好な描写。逆光にも強く、フレアやゴーストも極限まで抑えられている

レンズを上向きにして床に置いて撮影すれば、文字通り全天周に。専用の設置台があるとベターなのだが

魚眼レンズの特徴を理解できてくると、ユニークな画を撮れるようになる

コントローラー部のメニューからは、撮影モードを切り替えることができ、「超広角」では画角が対角魚眼風に切り替わる。FR100のスッキリした広角写真とはまた異なる、ユニークな表現が楽しい。また、室内や夜間など十分な光量が得られない場所でも、プログラムAEオンリーのカメラとは思えないほどしっかりと写ってくれた。

全天周、パノラマ、超広角の3つの撮影モードを選択可能

撮影モードを「超広角」にして撮影。直線的なパースのFR100とはまた違った表現が可能だ

かなり暗めの夜の撮影でも、シャッターを押すだけで綺麗に写る

とはいえ、さすがにこの丸く歪んだ画ばかりでは用途も限られそうだし、何より飽きてしまわないだろうか? そう思われる皆さんもいらっしゃるだろう。でも、どうぞご安心を。FR200の本当の楽しさは、むしろここから始まるのだ。