災害対策と同時に強化しているイベント対策では、夏に集中する大規模イベントに向けてさまざまな取り組みを行っている。LTE-Advancedの導入による既存基地局の増強に加えて移動基地局車の投入が主な対策で、移動基地局車もキャリアアグリゲーションに対応して容量を増加。ただ、LTE-AdvancedやCAといった基地局の増強によって移動基地局車が出動するイベントは、これまでの37イベントに対して今年度は17イベントに減少したという。
例えば7月2~3日に開催された音楽イベント「京都大作戦2016」では、普段はほとんどトラフィックのないエリアで、平常時の30倍の通信量が発生。移動基地局車1台で対策を行った結果、輻輳の発生もなく、通信速度も下り100Mbps以上を確保して安定した通信ができたという。
8月6日に大阪で開催され、60万人以上の人出が見込まれている「なにわ淀川花火大会」では、移動基地局車4台を配備予定。昨年は3台だったため、さらに増強してより快適な通信を提供したいという意向である。そのうち、1台は前回と場所を変更しており、効果的にトラフィック分散が行えるとしている。
ドコモ関西では、全国規模の取り組みに加え、独自の施策も加えながら、平常時から非常時、イベントなどでも安定した通信を確保できるようにしていきたい考えだ。