ほかに、災害時に重要通信を確保するために衛星携帯電話「ワイドスターII」を全国で3,000台配備。緊急時に災害救助機関などに即座に貸し出しが行えるようにしている。衛星通信では、伝送路断絶に備えて可搬型衛星エントランス(IPSTAR)、可搬型衛星基地局(JCSAT)も用意する。関西エリアでは、IPSTARを既存の5台に加えて6台追加する増強も行った。
さらに、災害時に音声通話の輻輳を回避するための手段として、「災害用音声お届けサービス」も提供。パケット通信で音声をサーバーに保存。指定した電話番号に対してSMSが送信され、受信側はパケット通信で音声を再生できる、という仕組みで、通話の集中が避けられることを期待する。毎月1日と15日、正月三が日は試験利用が可能で、こうしたタイミングで使ってもらい、災害時に適切に利用してもらいたい考えだ。
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衛星携帯電話が即時に提供できる体制 |
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持ち運びができる衛星設備 |
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実際のIPSTAR。システムとしてはFOMA |
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災害用音声お届けサービス |
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移動基地局車 |
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移動電源車 |
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5GHz帯の無線アクセスシステム「Airmux-400」を搭載した移動基地局車。通信速度が最大100Mbpsとなり、LTEにも対応可能
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80GHz帯のマイクロ伝送路システムを使って優先の伝送路断線などに対応する「E-Band」。本来はこの上に最終的に携帯電波を発信するアンテナを立てる。Premium 4Gに対応し、伝送容量は最大3Gbps。見通しのいい3km程度の距離であれば通信が可能。今のところ、イベント対策で利用され、災害での利用はまだないという
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既存の基地局などから配線し、停止した基地局の代わりとなる位置に受信側の移動基地局車を配備する。お互いのスコープで確認しながら、正対するように位置調整が必要
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見通しがきかない場所では、障害物を避けるために送信機を高く持ち上げる作業なども行う。その場合はスコープに取り付けたWebカメラで確認しながらの作業になる |
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3ボルト程度になればお互いが通信可能になったことが分かるという |