Sandra 2016(グラフ35~59)
SiSoftware
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最後はこちらである。ちょっとグラフ数が多いが、整理の都合上こまかくグラフを分割しただけで、テスト項目数はそれほど多くないのでご容赦いただきたい。
まずはGP Processing(グラフ35~38)。Quad/DoubleではAMD系の圧勝なのは見えている話で、Single Float(グラフ38)が現実的なシナリオだが、最高速がGTX 1070なのは当然として、RX 480もGTX 970とGTX 980の間といったあたりにいる。
面白いのがHalf-Floatで、これをサポートしたPascalベースのGTX 1070が異様に高い(ただしCUDAのみ)性能を出しているのは当然ではあるが、逆に言えばCUDAを使わない限りあまり意味がないという事も分かった。
RX 480は? というと、Half-Floatをサポートしている(ただし絶対性能にはメリットがない)ということもあり、GTX 970未満の性能に終わっているのは面白い。性能/消費電力費を測定したらまた話は違ってくるのだろうが。
グラフ39~45はEncryptionである。どうもCompute Shaderを使うとAMDはあまり芳しくない(そしてNVIDIAもCUDAを使うと芳しくない)のだが、AES Encryption/Decryptionに関してはR9 390/RX 480はGTX 1070に匹敵、SHAに関してはサイズによってムラがあるものの、概ねGTX 980と同程度の範囲ということで、RX 480はなかなか優秀であると思う。
グラフ46~51はScientificであるが、とりあえずDoubleに関しては言うまでもなくAMDの方が優秀で、RX 480はGTX 1070と同程度以上(テストによって差があり)である。ただR9 390はさらに上回る数字を出しており、やはりメモリバスの帯域がテストによってはボトルネックになると思われる。数字的に見ると、メモリバスの圧縮が効果ない場合の生の性能比(384GB/sec:256GB/sec=1.5:1)に近いからだ。
グラフ52~56は新しく追加されたGPUによるImage Processingで、要するにフィルタリングである。結果を見ると、これもテストによって性能比にムラはあるが、RX 480が最速で、R9 390をも凌いでいるのだからかなり優秀というべきだろう。特にグラフ56では、RX 480の性能はGTX 1070の3倍近い性能を出している。もっともこれを見ると、RX 480が優秀というよりは、むしろNVIDIAの方の性能のムラが大きい、という感じもするが。
最後がメモリ帯域である。Internal(グラフ57)を見ると、R9 390Xの高速性もさることながら、RX 480がGTX 1070よりちょい低いあたりにいることに驚きを隠せない。そうとう効率の良いメモリ圧縮伸張技法が実装されている(orテストのパターンとメモリ圧縮伸張エンジンの相性が相当に良い)のだろうと思われる。
もっともSystem to DeviceあるいはDevice to Systemをみると、相変わらずAMDの2製品はあまり高くない。特にRX 480のSystem to Deviceの値は「すごく悪い」として差し支えないものである。