多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『格安SIMで通信できません!?』という質問に答えます。

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実際に回線を持つ通信会社(MNO)から回線を借り受け、それを小口に分けて安価で提供する「仮想移動体通信事業者」(MVNO : Mobile Virtual Network Operator)のSIMカードは、原則としてスマートフォンに挿入しただけでは通信できません。これはAndroid端末にかぎらず、iPhoneなどほかのスマートフォンでも同じです。

MVNOのSIMカードを利用するには、「APN」(Access Point Name)の設定が必要です。Android OSの場合、「設定」アプリの「無線とネットワーク」欄にある「その他の設定」から情報を手動で入力します。入力した情報に誤りがあると通信できないため、慎重に入力しましょう。

MVNO経由で端末を購入した場合は、APNの初期設定を完了した状態で提供されることもあります。APNの手動設定が必要なMVNOも存在するので、ケースバイケースで対応するしかありません。ただし、最近ではMVNO各社のAPN設定を持つ端末も販売されているので、その場合はリストの中から自分が契約したMVNOを選択するだけで設定完了です。

APN設定が必要な理由ですが、MVNOが通信会社(MNO)の回線をレンタルしているためです。その回線へ接続するためには、MVNOが運営するサーバを経由しなければならず、そのサーバに接続するための情報(ユーザ名とパスワードなど)が必要になるというわけです。

格安SIMカードは挿入しただけでは通信できません。APNの初期設定が必要です