デバイスは良いがアプリの充実具合が課題

さて、今度はWindows 10 Mobileに注目しよう。応答性などはSnapdragon 210を搭載したデバイスよりも速く、アプリも小気味よく起動する。今回はIIJmioの音声通話対応SIMで使ってみたが、デュアルマイクを搭載し、ノイズキャンセル機能を搭載しているためか、通話品質も上々だった。

NuAns NEOのWindows 10 Mobile。執筆時点のビルドナンバーは10586.107

音質は電波状態によって左右されるが、通常の通話は問題ないだろう。ただ、MVMO事業者の多くが音声通話機能付きSIM用のアプリを用意しているのに、IIJmioの「みおふぉんダイアル」はAndroid/iOSのみでUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)版アプリは存在しない。このあたりはWindows 10 Mobileの弱点となってしまうだろう。

国内の主要MVMO事業者情報をプリロードしているため、APN設定も簡単だった

あれこれ触っているうちにバッテリーが長持ちすることに気がついた。NuAns NEOは3,350mAhと比較的大容量のバッテリーを供えているが、ほかの仕事にかまけて1週間ほど放置していても電源が切れることはなかった。公式スペックの連続待ち受け400時間というのもあまり差異がないようだ。また、急速充電規格「Quick Charge 2.0」をサポートしているため、対応する充電器やモバイルバッテリーを用意すれば素早いチャージが可能で、さらに長期間使い続けることができそうだ。ちなみに使用中に本体が熱を帯びるような場面には出くわしていない。

ユーザーによっては通話機能よりも重要なカメラ機能だが、NuAns NEOのリアカメラは1,300万画素の28mm広角レンズ、フロントカメラは500万画素の24mm広角レンズを供えている。筆者はデジタルカメラの性能を語れるほど詳しくはないが、Windows 10 Mobileの「カメラ」がiPhoneやAndroidの同機能よりも使いやすく感じたのは、Windowsの操作に慣れているからだろう。

すべて初期状態(自動)のままNuAns NEOで屋内撮影した。モデルの柴犬は寝起きのため少々不機嫌だ

Windows 10 Mobileの「カメラ」は、人物などにフォーカスする機能を供えている

アプリの少なさは欠点

このようにNuAns NEO自体の性能やWindows 10 Mobileに問題はないが、Android/iOS搭載デバイスと比べると欠点となるのが、アプリの種類だ。筆者がiPhone 6で使っているアプリの大半は、UWPアプリ版がリリースされているが、前述したみおふぉんダイアルやARゲームの「Ingress」は存在しない。

この1カ月間はiPhone 6とNuAns NEOの2台持ちで外出していたが、アプリ不足に伴い、NuAns NEOに頼る場面は限られてしまった。例えば道に迷った際は地図系アプリを使いたいところだが、Windows 10 Mobileの「マップ」は2015年7月のリリースから改善されていない。さらに地域の地図をダウンロードするオフラインマップ機能も、未だに日本はサポート外。一度に多くを求めるのも酷な話かもしれないが、iOSやAndroidに慣れたユーザーには厳しい部分があるのは事実である。

Windows 10 Mobileの「マップ」。ご覧のとおり地図を傾けると地名なども一緒に傾くため、実用レベルにあるとは言い難い