トリニティは30日、都内でWindows 10 Mobile搭載スマートフォン「NuAns NEO」を発表した。同日22時からWebサイトで予約受付を開始する。価格は本体税別39,800円(専用ケースが付属)で、発売日は2016年1月下旬を予定している。同社代表取締役の星川哲視氏は「ライフスタイルに浸透するスマートフォンを目指した」と語り、Qualcomm MSM8952(Snapdragon 617)を搭載したハイエンドモデルの成功に自信を見せた。

アクセサリーメーカーがスマホを製造

今回発表されたWindows 10 Mobile搭載デバイス「NuAns NEO」

トリニティの星川哲視氏。NuAns NEOの販売目標台数を3万台に設定し、CESやMWCへの出展も予定しているという

日本マイクロソフトが10月に、日本市場へWindows 10 Mobile搭載デバイスを投入すると表明して以降、各社が発表・発売してきたのは、Snapdragon 200番台や400番台などロースペック向けSoCを採用した端末だった。各社責任者は「まずはローエンドモデルでWindows 10 Mobileを知ってもらう」というスタンスであることを説明していたし、筆者も本発表会までは同様に、ローエンドモデルを投入するのが定石と考えていた。しかしトリニティは良い意味で予想を裏切ってくれた。

「NuAns NEO」は現時点で未出荷のSnapdragon 617を搭載し、スマートフォンにディスプレイやキーボードなどを接続してPCの様に使用する「Continuum for Phone」に"暫定対応"するという。現時点でMicrosoftのハードウェア要件にSnapdragon 617は含まれていないが、星川氏は「我々が検証し、その結果をMicrosoftにフィードバックしている最中だ。そのため現時点では"暫定"としているが、我々がテストした限りでは動作している」と説明している。

SoCとしてSnapdragon 617を採用した

このように思い切った取り組みはトリニティという企業姿勢と、NuAns NEO開発に携わったメンバーの存在が大きい。同社はポータブルデバイスが生活の中心となった世界を表す「NuAns」をコンセプトに、iPhone向けのアクセサリーなどを手がけ、今年で創業10年目を迎えた。星川氏は10年目の節目と「NuAnsの世界観を日々身につけるスマートフォンにも広げたかった」との理由で、Windows Phoneへの参入を決めたという。また、AndroidではなくWindows 10 Mobileを選択した点については「Microsoftの新たな変革と我々の新チャレンジが合致した」と語った。One Windowsというコンセプトで実現するシームレスワークスタイルや、セキュリティ面の安心感も大きかったそうだ。

星川氏はOne Windowsで実現するシームレスワークスタイルに惹かれたという