説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『子どもに「格安SIMのiPhone」を持たせるつもりですが、音声通話が気になります……』という質問に答えます。

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もうすぐ春、春といえば進学・進級の季節……ということで、子どもにiPhoneを持たせるタイミングかな? と考えている親御さんも多いことでしょう。モデルにもよりますが、iPhoneでも「格安SIM」を利用しやすい環境が整いつつありますから、家計のためにこれを検討しない手はありません。

まず突破すべき関門は「SIMフリーのiPhone」か「SIMロック解除したiPhone」、または「SIMロックのiPhoneでも使える(回線が同じ)格安SIM」を用意することですが、その際音声通話契約の有無を重視すべきです。

音声通話契約のある格安SIMは、携帯電話番号が割り当てられるため通常の携帯電話として使えます。無料通話や月々定額の通話プランが用意されていないことが多く、音声通話の割安感には乏しいものの、110番や119番などの緊急通話を利用できることは大きな安心感です。

より節約したい場合には、「データ通信専用SIM」がお勧めです。音声通話契約のあるSIMよりさらに安くなりますから、うまく使えば家計における通信費削減の切り札となります。音声通話は『050 Plus』などのIP電話アプリか、「LINE電話」といったSNSと連係する通話サービスを利用するという手があります。iPhoneユーザ間であれば、「FaceTimeオーディオ」も利用できます。

ただし、緊急通報できない(サードパーティー製アプリを使えば警察に緊急通報することは可能です)、通知などの機能が音声通話契約がある場合(iOS付属の『電話』アプリを使用)に比べ見劣りする、といった難点があります。友人から「電話番号教えて」と訊ねられた場合にどうするのか、スマートフォンではない相手から電話で話そうと持ちかけられた場合にどう対処するのか、などのやり取りを想定しておく必要があるかもしれません。その辺りに自信が持てないのであれば、音声通話契約のある格安SIMを選ぶべきでしょう。

データ通信専用の格安SIMを利用する場合、音声通話契約がないことの意味をじゅうぶん理解しておく必要があります(写真はイメージです)