では以下、DRA-100について、D&Mホールディングス 技師 山内慎一氏、D&Mホールディングス マーケティンググループ 宮原利温氏、シーエスアール 大島勉氏にインタビューした内容をお伝えしよう。

―― PMA-50は大ヒットになりましたね。振り返ってみて、感想はいかがでしょうか。

デノン 宮原氏:おかげさまで、一時期品切れを起こすほどセールス面は好調でした。サイズ感であったりデザインであったり、しっかりと長所を伝えられたからかもしれません。それに、フルデジタルアンプに対する期待値を肌で感じることができたのが収穫でしたね。

デノン 山内氏:ユーザの皆さまには、作り手側の意図をよく理解していただけたように思います。自分の立場としては、製品プラットフォームとしての可能性が見えてきた、PMA-50を進化させる方向に持って行けるのではないか、という自信も生まれてきました。

シーエスアール 大島氏:DDFA搭載のアンプとしては国内初の製品だったわけですが、設計陣の音に対する"思い"がここまで強いとは。共同で開発を進めなければ気付かなかったでしょうね。

D&Mホールディングス 技師 山内慎一氏

―― ヒットした理由については、どうお考えでしょうか。ヘッドホンアンプとしての機能も用意したことが奏功したのでしょうか?

宮原氏:「ニアフィールドリスニング」が鍵だったと思います。これほどコンパクトなのに高級アナログアンプに比肩するほどの音世界を提示できた、という意味では狙いどおりでしたね。

山内氏:PMA-50をヘッドホンアンプとして利用しているユーザの方は、結構な割合でいらっしゃいます。ヘッドホンメインだがスピーカーもつなげられるから購入した、というケースですね。

宮原氏:ただ、ヘッドホンユースが多いかと思いきや、イベントなどの場で聞いたかぎりではスピーカーで楽しまれる方のほうが多いようですね。購入に合わせてスピーカーを設置した方も多いようですし。「ニアフィールドで楽しむプリメインアンプ」というコンセプトは、予想以上に受け入れられた印象です。

D&Mホールディングス マーケティンググループ 宮原利温氏

―― 今度のDRA-100はサイズがひと回り大きくなりましたね。製品コンセプトも大きく変わりましたか?

宮原氏:ラインナップの拡充という意味でも、アンプとしてワンステップ進めた製品にしたかった、という思いはあります。より本格的なHi-Fi環境に近づけていくとき、サイズの都合でPMA-50では搭載しきれなかった部分をカバーしようとなると、きょう体サイズを大きくするしかない。幅28cmというリビングに設置してもジャマにならないサイズ感は維持しつつ、PMA-50より2ランク、3ランク上を目指そうという狙いがあります。