手ブレ補正効果とAFスピードの印象は

VRの効果はCIPA基準で4.0段分(NORMALモード時)。VRモードは、一般撮影向けのNORMALと、歩きながらの撮影やライブビュー撮影で威力を発揮するACTIVEの2種類を備えており、三脚撮影特有のブレを補正することも可能。三脚撮影時にいちいちオフにしなくてもいいのはありがたい(三脚の種類や撮影条件によってはオフにしたほうがいいこともあるとのこと)。実写での効果は良好で、焦点距離50mm・シャッター速度1/6秒の条件で6割程度の成功率だった(ピクセル等倍で見てブレていないと判定できるコマの率)。

焦点距離50mm付近の手持ちで1/6秒。VRの効果を見たくて撮ってみた。筆者の貧弱な腕力でも半分強はピクセル等倍で見て問題なし。結果は上々だ (写真をクリックして拡大すると、「原寸大画像を見る」ボタンが現れます)

ただ、切り替えスイッチの「OFF」が前玉側になっているのは気になった。これと同じタイプのスイッチは「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」にも使われているが、VRのON/OFFとNORMAL/ACTIVEの切り替えが別々のスイッチになっているタイプでは、前玉側が「ON」なのだ。慣れてしまえば問題ないかもしれないが、少し気になるところである。

「N」マークは光学系にナノクリスタルコートが採用されていること、「VR」マークは手ブレ補正機構の搭載を表す

フォーカスモードとVRモードの切り替えスイッチ。VRは前玉側(画面左上)が「OFF」になっている。

付属の花形バヨネット式フード。フードロック解除ボタンが改良され、より確実に着脱できるようになった

フルサイズ機のD810と合わせると、合計で2kgを超えてしまうのだから、使いこなすには相応の腕力がいる

AFが速くなったのは歓迎すべき点だ。旧24-70mmが飛び抜けて遅かったわけではないが、新24-70mmの速さを一度味わってしまったら、旧24-70mmに戻りたいとはまず思わないだろう。シャッターボタンを半押しすると、それこそ「かっ」という感じで合焦する。飛ぶような速さでピントが合ってくれるのは、とても気持ちがいい。

電磁絞りを採用しているのも要チェックポイント。従来のニコンのレンズ(Gタイプまで)は、カメラ側からのレバー駆動によってメカニカルに絞りを駆動していたが、Eタイプレンズではレンズ内のアクチュエーターによって絞りを駆動する。機械的な連動機構を廃することで、制御精度を大幅に向上させることが可能となり、より正確で安定した露出制御を実現できる。

なお、D3000(2009年8月発売)以前のボディではEタイプレンズは使用不可。また、D4やD600以前のフルサイズ機およびD7000ではカメラ側のファームウェアアップデートが必要となる。