F5.6~F8の間がベスト
続いて、実写での性能について触れていきたい。まずは解像力から。
広角端の画面中心部は絞り開放でもまずまずの解像力があり、1段絞るとシャープさが増す。2段絞ったF5.6付近がもっともシャープになる印象だ。画面四隅は絞り開放だとやはりちょっと厳しいが、F8まで絞れば十分に満足できるレベルになる。望遠端の絞り開放は、広角端よりもややアマめだが、やはりF5.6付近まで絞れば良好な結果が得られる。F8まで絞れば四隅まで不満のない画質になる。ほかの焦点距離でも、F11より絞ると回折現象の影響で解像力は低下していく。レンズ性能をめいっぱい引き出したいなら、F5.6からF8の間がベストと考えてよさそうだ。
(以下、作例の写真をクリックして拡大すると、「原寸大画像を見る」ボタンが現れます)
大口径ということもあって、周辺光量の低下はそれなりに大きく、空などの輝度差が少ない背景の場合はF5.6でも目立つ。F11でもわずかながら減光が見られるので、画像処理で補正するヴィネットコントロール機能に頼らないのであれば、ある程度絞り込んで撮ったほうがいいだろう。
歪曲収差は、広角端でタル型、望遠端でイトマキ型となる典型的なタイプだが、収差の量はそれほど大きくないし、単純な曲がり方なので、気になる場合は画像処理で補正するといい。もっとも歪曲が少ないのは焦点距離32mm前後だった。なお、D810ではカメラ側の自動ゆがみ補正機能にまだ対応しておらず、自動補正できない状態となっている。
近接撮影は0.41mまで寄れるのはいいが(焦点距離が35-50mmの範囲では0.38m)、絞り開放ではずいぶんアマさが目立つので、できればF5.6くらいには絞りたい。また、近接域では前ボケ側でボケ像のエッジが強くなりがちに感じる。中距離でのボケは、前後ともに良好で、比較的安心して使えそうな印象を受けた。
次ページでは新24-70mmとD810の組み合わせで撮影した作例をさらにご覧いただこう。