Core m3モデルとCore i5モデルをベンチマークで比較

Surface Pro 4の購入を考えている場合、どのモデルを選ぼうかと悩んでいる方も少なくないだろう。今回試用したのはIntel Core i5/8GBメモリ/256GB SSDモデルだが、筆者は個人的にIntel Core m3モデルを購入しているため、各種ベンチマークツールで両者のパフォーマンスを比較してみたい。なお、Surface Pro 4でもOSの電源プランは「バランス」のみのため、いずれも初期設定の状態でベンチマークを実行している。

試用モデルのCPUとメモリ周りについては、CPU-Zの画面を紹介しておく。それによると、Core i5モデルのCPUはSkylake世代のIntel Core i5-6300U(2.40GHz)、Core m3モデルは同じくSkylake世代のIntel Core m3-6Y30(0.90GHz)だ。メモリは両者ともDDR3のシングルチャネルモードだが、容量とNB Frequencyが異なる。

Core i5モデル

Core m3モデル

まずはWindows標準のWindowsエクスペリエンスインデックス(WinSat.exe)を使用したが、両者の差はさほど見受けられない。メモリだけ割と差が付いているのは、単純に容量とNB Frequencyの差と考えてよいだろう。

次はCPUとGPU性能を中心に測定するCINEBENCH R15によるベンチマーク結果をご覧いただきたい。Core i5モデルのGPUはInterl HD Graphs 520(Core m3モデルはInterl HD Graphs 515)のためか、GPU性能はさほど差が生じていないが、CPUの処理能力を測るためのレンダリング処理では、Core i5モデルがCore m3モデルを大きく引き離している。

今度はストレージ性能を測るツールとして定番のCrystalDiskMark 5.0.3を試してみた。Intel Core i5モデルの内蔵SSDは「NVMe SAMSUNG MZFLV256」、Intel Core m3モデルも「同MZFLV128」をストレージとして採用しているが、シーケンシャルリード/ライトや4K(Q32T1)ライトで約2倍の開きが生じている。一般的に、SSDは大容量になるにつれ高速化するが、128GBと256GBにしては思った以上の差だ。

CrystalDiskMark

Core i5モデル

Core m3モデル

最後に、PCの総合的な性能を測定するPCMark 8と、定番3Dベンチマークの3DMarkによる結果。これまでの結果と同様に、Core i5モデルがCore m3モデルを上回る。ベンチマーク内容によって違いはあるが、総じて見ると2~3割程度の性能差がある。

冒頭で紹介したように、今回試用したIntel Core i5モデル(メモリ8GB、256GB SSD)の税別参考価格は179,800円、対するIntel Core m3モデルは124,800円。その差、55,000円の価値をベンチマーク結果から納得するのは難しいかもしれない。

ただ、実際に使ってみるとIntel Core m3モデルは、"重さ"を感じる場面が少なくないため、ビジネスやクリエイティブな用途であれば、現時点ではIntel Core i5モデルをおすすめする。購入予算を抑えたい場合は、メモリ4GBで128GB SSD構成のIntel Core i5モデルを選択肢に加えてもいい(税別参考価格は139,800円)。いずれにせよ、Windows 10をリリースするMicrosoft製デバイスという安心感は、購入者に大きな満足を与えることだろう。

阿久津良和(Cactus)