VAIO株式会社から、同社として初のIntel Core Ultra シリーズ3プロセッサを搭載するノートPC「VAIO SX14-R」「VAIO Pro PK-R」が4月23日に発表されました。同日より同社オンラインストアで注文受付を開始し、個人向けモデルの発売は5月22日を予定しています。今回、発表・発売に先駆け実機をお借りして試用する機会を得たのでレビューをお送りします。
VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rの基本仕様など
まずはVAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rの基本仕様から見ていきましょう。今回試用したモデルはカラーがブライトシルバー、CPUにCore Ultra 5 325、メインメモリは16GB、SSDは512GBを搭載する、VAIO SX14-Rとしては最も標準的な構成のモデルです。
-

輝度の高い上品な"ブライトシルバー"のVAIO SX14-R・VAIO Pro PK-R
-

ヒンジ部分にもメッキ調のオーナメントを備え質感も高いデザインです
-

ヘアライン処理されたパームレストなど画面を開いた状態の見た目も優秀
-

ディスプレイは約180度まで開くことができます
オンラインストアのCTOメニューではCPUに上位のCore Ultra 7 356H、また「ALL BLACK EDITION」「勝色特別仕様」ではCore Ultra X7 358Hを搭載したモデルも用意されています。メインメモリ、SSDもそれぞれ最大で64GB、2TBも用意されているので、モバイルノートでありながらデスクトップPC並のハイエンド構成を選ぶこともできます。
ディスプレイは約14インチ、解像度は1920×1200ピクセルで、ディスプレイ表面は映り込みの少ないアンチグレア仕様です。こちらもCTOで高解像度かつタッチ対応のディスプレイや、さらにデジタイザペンに対応したディスプレイを選ぶこともできます。
本体重量は個人向けのVAIO SX14-Rで約958g~、法人向けのVAIO Pro PK-Rで約948g~で、約1kgを切る重量が本機の特徴の1つです。お借りした実機も実測で947gとほぼ試用通りの重量でした。
外部接続端子は本体右側面に3.5mmのステレオイヤホン・マイク端子、USB Type-A、HDMI、有線LAN、USB Type-C。本体左側面にはUSB Type-C、USB Type-A、セキュリティロックスロットがあります。
ディスプレイ上部にはWebカメラも装備。物理シャッターもあるのでWebカメラを使えない場所や、使いたくない場面で確実にオフできる仕様です。
キーボードはパームレスト部も広く、キーピッチは約19mmのフルサイズ、キーストロークも十分に深いので打鍵感はかなり良好です。トラックパッドも大きく、左右のクリックボタンも独立しているため操作性も良好です。
ACアダプタは出力65WのUSB Type-Cで、コンセントプラグを折り畳んでコンパクトに持ち運ぶことも可能です。
VAIO独自機能も進化
VAIOといえば「VAIO True Performance」といった高性能を発揮できる独自チューニングも有名な取り組みですが、ここ数年は「ビデオ会議機能」に力を入れています。
Webカメラの表示画角を狭め話者だけが映るようにした場合、話者の声だけをマイクが拾うプライバシーモードや優秀なノイズキャンセリングに加え、新型VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rでは会議室モードが強化されました。マイクやスピーカーを調整したことで、PC前にいない人にも相手の声が聞こえやすくなるようになるなど、VAIOを使ってのビデオ会議がより快適に行えるよう進化しています。
この便利なビデオ会議機能は従来通り、ファンクションキーからすぐに設定変更できるため、例えば一対一での打ち合わせから、急遽メンバーが増えた際にモードを切り替えたり、Webカメラのオン・オフ、一時停止などビデオ会議中に煩雑な操作なしに利用することができます。
また専用の設定アプリでは省電力設定やバッテリー保護機能も充実しています。VAIOの使用中、画面を見ていないことを検知するとディスプレイを暗くしてバッテリー消費を抑えたり、バッテリー充電の上限値を80%、または90%に設定することでバッテリー劣化を防ぐ機能も用意されています。
パフォーマンステストの通り、バッテリー駆動時間は長く「100%まで充電しないと心許ない」といったこともないため、省電力設定とバッテリー保護機能を上手に使うことで、稼働時間の延長やバッテリー劣化を防ぐことが容易に行えるのも、本機の強みといえるでしょう。
気になる性能をチェック
Intelの最新プロセッサ「Core Ultra シリーズ3」を搭載したことで、VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rはどこまで性能が向上したのでしょうか。外観などは従来モデルから大きな変化がないだけに、中身の進化が本機を選ぶ決め手になるので、各種ベンチマークテストで性能をチェックしました。
比較用には筆者が個人で使用している、2023年発売の「LIFEBOOK UH(WU2/H1)」で同じテストを実行した際のスコアを掲載しています。こちらはCPUに「Core i7-1360P・32GB メモリ・本体重量900g台」で、発売から3年が経過していることから買い替え元のPCとして、ちょうどいい比較になるはずです。
テストに際してはパフォーマンスに直結するWindowsの電源設定を「バランス」に設定し、それ以外は設定直後のデフォルトのままです。
まずは3Dレンダリングを通じCPUの処理能力をテストできる「CINEBENCH 2026」を実行し、CPUのパフォーマンスをチェックしました。VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rに搭載されたCore Ultra 5 325は、比較用のLIFEBOOK UHに搭載されたCore i7-1360Pと比べ、シングルスコア、マルチスコアで大きく性能が伸びていることが確認できました。
続いてブラウザ上で動作する「Speedometer 3.1」を、Microsoft Edgeで実行しました。WebページやWebアプリケーションのレンダリングや応答性をテストする内容になっているため、同じブラウザで動作させた場合は純粋にPCの性能の違いがスコアとして確認できます。こちらも30%近いスコアの向上が見られ、先にテストしたCINEBENCH 2026の結果同様に、新型CPUの性能向上が確かなものだと裏付ける結果です。
続いて一般的なPC操作のパフォーマンスをチェックする「PCMark10」を実行しました。PCMark10ではブラウジングやオフィスソフトの操作、ビデオ会議や画像編集など、PCの多岐に渡る操作をテストする「Modern Office」をテストした結果が以下の通りです。
CPU単体のテストと比べると控え目ではありますが、こちらもVAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rのスコアは伸びており、日常的なPC操作はより快適に動作することが確認できました。
またCore Ultra シリーズ3では、CPU内臓グラフィック機能の性能向上にも注目が集まっています。そこで内蔵グラフィックス機能の性能チェックとして「3DMark」で、DirectX 12の「Time Spy」、DirectX 11の「Fire Strike」を実行しました。内蔵グラフィック性能が大きく向上していることが確認できます。
最後にバッテリー稼働時間をPCMark10のバッテリーベンチで行いました。VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rでは仕様では動画再生で最大20.5時間、アイドル状態では最大37時間のバッテリー稼働を謳っています。今回のテストではブラウジングやオフィスソフトを利用する「一般的なPC操作」でのバッテリー稼働時間を計測しており、仕様とはまた違うリアルなバッテリー稼働時間を確認できます。
結果は驚異の22時間超で、筆者が使用しているLIFEBOOK UHが同じテストで6時間強だったことを考えると、バッテリー稼働時間は3倍以上です。先代のCore Ultra シリーズ2でもバッテリー稼働時間が従来比で大きく伸びたことがウリになっていましたが、それはCore Ultra シリーズ3でも継続、進化しています。
VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rが1kgを切るモバイルノートであり、高いCPU性能でメインPCとして使えることを考えると、ついに電源の取れる場所に囚われない、最強格のモバイルノートPCへ進化したといえるでしょう。
好評の外装をそのままにIntel Core Ultraシリーズ3プロセッサの搭載で性能・効率を高めた成熟モデル
VAIO SX14-R・VAIO Pro PK-Rですが、VAIOのラインナップの中では最も軽く、最も性能の高いモデルです。そして今回、新たにCore Ultra シリーズ3を採用したことで基本性能に加え、バッテリー稼働時間が大幅に伸び、VAIOのコンセプトにある「どこでも、どんな仕事もできるシン・モバイルワーク時代」に最適化されたPCに進化したと感じました。















